巨人もソフトBも近大・佐藤1位指名!大卒野手4球団以上競合なら原監督以来40年ぶり

[ 2020年10月26日 05:30 ]

リラックスした表情で練習を行う近大・佐藤(撮影・北條 貴史)
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 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)は、26日午後 5時から都内のホテルで開かれる。注目は左の長距離砲の近大・ 佐藤輝明内野手(21)。公表済みのオリックスに続き、ドラフト前日の25日には筆頭候補に挙げていた巨人、さらにソフトバンクのセ・ パ首位球団が1位指名することを公表した。関西学生リーグ新記録(82年新リーグ創設以降)の14本塁打を放ったスラッガーの争奪戦が展開される。

 天を突き上げるほどの勢いだった。阪神戦後、巨人・原監督が抑え切れない様子で猛烈に公表した。「近大・佐藤君行くよ!」。続けて神社参拝作法のように2度「パン!パン!」と手を叩いた。

 「近大・佐藤君を何とか!という感じだよ。ベストを尽くすということ」。オリックス、この日午前のソフトバンクに続く公表。球団はこれまで名前を公表せず、即戦力の野手を1位指名する方針を明かしてきた。阪神も含め、最大4球団の競合が予想される。
 クジ引きは「私が引きます」と力強く言った。グラウンドでは無双の指揮官だが、クジ引きの通算成績は1勝10敗で現在5連敗中。20日に出席したドラフト前最後のスカウト会議では「クジを引く人のクジ引きをしよう」と提案したが「全会一致で却下された」と笑った。巨人としても、9連敗中の流れを止める役割を託された。

 関西学生リーグ通算14本塁打を放ち、記録を更新した左の長距離砲。守備は三塁が本職ながら、外野手としての評価も高い。映像で確認済みの原監督は「非常にスケールの大きい、三拍子そろった選手」と高評価。球団としても「10年に1人の逸材」と待望する。1回目の1位入札が4球団以上の競合となれば、大卒野手ではくしくも、80年に東海大から巨人入りした原監督以来40年ぶりとなる。

 ソフトバンクの永井智浩編成・育成部長兼スカウト室長も「1位は素材重視。佐藤選手に入札したい。だいぶ前からスカウトの中で決まっていた。日本人の大砲候補は毎年出てくるわけではないので、獲得したい」と熱望した。クジ引き役は、工藤監督が務める。

 今年の抽選はドラフト当日の26日時点の順位が下の球団からで、パ、セの順番。セで首位を独走する巨人が最後になる。「運命の巡り合わせ」をかたずをのんで見守る。(神田 佑)

 ≪大学野手の4球団以上指名なら原辰徳以来≫ドラフトの1位指名で4球団以上から重複指名を受けた野手は、95年福留孝介(PL学園)、17年清宮幸太郎(早実)の7球団を筆頭に10人いる。そのうち、大学生は79年岡田彰布(早大=6球団)、80年原辰徳(東海大=4球団)、18年辰己涼介(立命 大=4球団)の3人。辰己は外れ1位の重複で、佐藤が1回目の入札で4球団以上競合となれば、大学生野手では原以来40年ぶりとなるがどうか。

 ◆佐藤 輝明(さとう・てるあき)1999年(平11)3月13日生まれ、兵庫県出身の21歳。小1から「甲東ブルーサンダース」で野球を始め、甲陵 中では軟式野球部。仁川学院では通算20本塁打、甲子園出場なし。近大では1年春からリーグ戦に出場、2年春秋、3年春にベストナイン、2年秋にMVP獲得。今秋は10試合で打率・257、3本塁打、11打点。1メートル87、92キロ。右投げ左打ち。

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