高野連「違反バット」流通を公表 製造元は中国の工場「信じてしまった」国内メーカー5社自主回収へ

[ 2024年4月18日 20:15 ]

阪神甲子園球場
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 日本高野連は18日、安全性を示すSG基準に満たない金属バットが市場に流通していたことを明かした。

 高校野球では、今年度から低反発の新基準バットに完全移行された。しかし、製造元のSSプロダクト社が発注し、中国の工場で生産されたザナックス、三共スポーツ、ハイゴールド、イソノ、ボルテカの国内メーカー5社の計3351本のバットが、基準値を上回る反発性能を有していた。

 全日本野球バット工業会からの指摘があり、製品安全協会が調査して判明した。製造元のSSプロダクト社・波多陽祐社長は「SG試験を受けてから生産するまでにタイムラグがあり、その間に工場側が間違った解釈をした。海外の工場とのコミュニケーションが不足しており、(工場側を)信じてしまっていた部分もあった」と説明した。

 今春選抜では32校中5校がベンチ内に持ち込んでいた。ただし、春季大会を含めて今年度に行われた公式戦の記録は全て取り消されない。

 高野連は全国の加盟校に新基準バットを計3本配布。そのうち安全基準を満たしていない5社のバット計2510本は、新基準に適合したバットと交換される。自費購入したバットについては、各メーカーが自主回収して賠償する。

 高野連が配布した新基準バットを生産したメーカーは14社あり、そのうち5社のバットが違反状態だったことになる。5社のバットは、19日から練習も含めて使用禁止になる。

 同連盟の井本亘事務局長は「やっと(完全移行に)たどりつき“さあ、ここからだ”というときに、このような状況が起こってしまった。極めて重大な違反と言わざるを得ない。(部員が)困らないように一日でも早く対応していきたい」とコメントした。

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