広島 トヨタ自動車・栗林が最有力 社会人No・1右腕 昨年の森下同様一本釣りあるぞ

[ 2020年10月26日 05:30 ]

トヨタ自動車・栗林

 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が、きょう26日午後5時から、東京都内のホテルで開かれる。広島は25日、都内のホテルでスカウト会議を開き、即戦力投手の1位指名を確認した。DeNA戦を指揮した佐々岡真司監督が不在のため結論は持ち越したが、筆頭候補には社会人No・1右腕のトヨタ自動車・栗林良吏投手(24)が挙がったもようだ。指揮官を交えた26日のドラフト直前会議で、他球団の動向を分析しながら最終決定する。

 スカウト会議は松田元オーナーを交え、都内のホテルで午後3時にスタート。2時間半にわたって指名のシミュレーションを行い、即戦力投手を1位指名する方針を確認した。苑田スカウト統括部長は「チーム事情からもそう。やっぱり投手が足りない」と語った。

 ただし、スカウト会議参加後に佐々岡監督が「明治の森下くん」と公表した1年前とは一転、この日は最終決定に至らなかった。指揮官と鈴木清明球団本部長がDeNA戦(横浜)のため不在で、2人が参加する当日午後2時からの直前会議で結論を下す方針だ。

 それでも本命視される投手はいる。早大・早川や明大・入江らも残る中で、筆頭は社会人No・1右腕の世評を得るトヨタ自動車の栗林だ。最速153キロの直球にカットボール、フォークを制球よく操り、カーブで緩急をつけられるのも佐々岡監督好みと言える。

 実績も申し分ない。昨年末にはJABA選抜でアジアウインターリーグ(台湾)に参戦、プロ相手に6試合で1勝0敗4セーブ、防御率0・63の好成績をマーク。今秋の都市対抗予選でも、Honda鈴鹿との決定戦で1失点完投勝利を収め、東海第1代表に導いた。

 早大・早川はヤクルト、ロッテとの重複が確実。明大・入江も楽天が1位を検討する。栗林も予断は許さないとはいえ、競合の可能性があった中日が中京大中京・高橋の1位指名に転じており、昨秋の森下同様、高い完成度の割に一本釣りが期待できるのも魅力だ。

 苑田部長は「抽選で負けた時のことも考えておかないと。即戦力ばかりではない」と競合クジを外すケースに言及したが、あくまで危機管理上の話。投手陣の再建は喫緊の課題だ。先発、救援ともに人材が不足しており、巻き返しには即戦力の補強が欠かせない。

 トヨタ・栗林の単独1位指名なるか、それとも…。運命のドラフト会議は26日、午後5時開始だ。(江尾 卓也)

 ◆栗林 良吏(くりばやし・りょうじ)1996年(平8)7月9日生まれ、愛知県愛西市出身の24歳。勝幡小2年から勝幡ドラゴンズで野球を始める。佐織中では藤華クラブでプレー。愛知黎明では1年夏から内野手のレギュラーで2年秋から本格的に投手を始める。甲子園出場なし。名城大では1年春からリーグ戦に登板し通算32勝。トヨタ自動車では1年目から公式戦登板。1メートル78、80キロ。右投げ右打ち。

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