まるで虎の大谷!阪神・西純 “球団初”の「9番DH」で投手強襲安打 岡田監督「バントさせようと…」

[ 2023年3月22日 05:15 ]

オープン戦   阪神1―2西武 ( 2023年3月21日    ベルーナドーム )

<西・神>3回、ピッチャー強襲の内野安打を放った西純(撮影・岸 良祐)
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 阪神・西純矢投手(21)が21日の西武戦に1打席限定の「9番DH」で出場し、投手強襲の安打を放った。NPB公表のオープン戦記録が残る99年以降で投手登録でのDH出場は球団初。岡田彰布監督(65)はバントの実戦練習が狙いだったことを明かした。走者を置いた場面では回らず、定評のある打撃で改めて強烈なインパクトを残した。

 驚きの連続だった。西純が9番DHで出場した。野手顔負けの打撃力があるとはいえ、投手登録でのDH出場は侍ジャパンでも活躍するエンゼルス・大谷らに限られる希少例。阪神ではオープン戦の記録が残る99年以降では初めてのことだ。

 結果でも驚かせた。3回2死から投手強襲の安打。味方打者陣が完璧に抑えられていた松本の145キロを捉えた強烈なライナーがグラブをはじいた。チーム初安打をマークし、投手らしく相手を気遣った。

 「ピッチャー返しになって申し訳ないというか、開幕が近いので本当に何事もなくてよかった」

 起用法を知らされたのは当日の朝。「(ホテルを)出発の時に言われて」。打撃練習に参加し、10スイングで1本柵越え。左翼席中段まで飛んだ。昨年5月18日に侍ジャパンにも選出されることになるヤクルト・高橋から本塁打。ほうふつとさせる特大弾で準備は万全だった。

 起用の意図はどこにあったのか。

 岡田監督は「バントをさせようと思ったんや。そしたら、走者が出えへんかったんや。ほな、打たせなしゃあないやん」と笑いながら説明した。登板日の西勇は投球に専念させるために「9番」で使わず、本番同様に控えを全員ベンチに置いた状態で試合に入るために、野手をDHに入れなかった。狙いは、犠打の練習をさせるためだと強調した。

 代走を送られて1打席で退いた西純は、指揮官の当てが外れたことで、逆に強打を印象付けることに成功した。22日の巨人戦は先発予定でも打席には立たない。本業で岡田監督を喜ばせればいい。(倉世古 洋平)

 ○…投手の西純(神)が「9番・DH」で先発。阪神投手の先発DHは、交流戦が導入された05年以降の公式戦およびNPBがデータを公表している99年以降のオープン戦では初めて。他球団では大谷翔平が日本ハム時代に務めたほか、今季のオープン戦でも新人の矢沢(日)が21日のソフトバンク戦を含む5試合で先発している。

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2023年3月22日のニュース