村上宗隆、マイアミに「神様」降臨 日本中が待ち望んだ本塁打で世界一導いた

[ 2023年3月22日 11:57 ]

WBC決勝   日本3―2米国 ( 2023年3月21日    米・マイアミ )

<日本・米国>2回、同点ソロを放った村上は、雄叫びを上げながらナインとハイタッチ(撮影・光山 貴大)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は21日(日本時間22日)、米マイアミの「ローンデポ・パーク」で決勝の「日本―米国」戦が行われ、村上宗隆内野手(23=ヤクルト)が最高の輝きを放った。

 村上は大会開幕から4番を務めたが、打撃不振に苦しんだ。準々決勝・イタリア戦では5番に座り、長打2本が出るなど復調の兆しを見せていた。準決勝のメキシコ戦では3打席目まで3打席連続三振に倒れるなど、4打席目までノーヒットだったが、1点を追う9回に中越え逆転サヨナラ打。そして最終決戦では日本中が待ち望んだ本塁打で世界一へと導いた。

 先制された直後の2回。先頭で迎えた村上は米国先発・ケリーが投じた初球の真ん中直球をとらえると右翼2階席に着弾し、同点ソロ。飛距離は432フィート(約133メートル)、打球速度は今大会最速の115・1マイル(約185キロ)だった。これまでのうっ憤を晴らすかのような、らしさが戻った一発に大谷らもベンチを飛び出して大喜びした。

 この本塁打が侍打線に勇気を与えた。後続も村上の完全復活の勢いに乗るかのようにつなぎ、逆転に成功。悲願だった舞台で自身のバットで見事世界一へと導いた。

 小学校の卒業文集に「WBCに選ばれて世界で活躍したい」と書いた。9歳だった09年第2回大会の決勝は公園で友人と携帯電話のワンセグで観戦した。「イチロー選手のタイムリーを見て感じた思いもある。最高の一打になった」。極度の不振を乗り越え、同じ中堅方向にV打。当時イチローは「神が降りてきた」と言った。14年の時を経て2人が重なった。マイアミに「村神様」が降臨した。

 前回大会では準決勝で敗れた米国を相手に、一丸となって勝ち切った。侍ジャパンの輪の中心には笑顔の村上がいた。

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