侍・吉田正尚「いや~しびれました」 “居合抜き打法”起死回生同点3ランで大会新13打点

[ 2023年3月22日 04:00 ]

WBC準決勝   日本6―5メキシコ ( 2023年3月20日    米・マイアミ )

<メキシコ・日本>7回、同点3ランを放つ吉田(撮影・会津 智海)
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 芸術と称される打撃センスが、またしても日本を救った。3点劣勢の7回2死一、二塁。今季から戦いの舞台を大リーグに移す4番・吉田が、右翼ポール際に一時同点の3ランを叩き込んだ。

 「いや~しびれましたね。ちょっと重苦しい雰囲気はあったんですけど、最後は自分を信じて、強い気持ちで打席に臨んだ」

 2度の満塁逸機という嫌な流れを断ち切る一発。左腕・ロメロの2ボール2ストライクからの内角低めチェンジアップを捉え、最後は右手一本で拾い上げた。「厳しいコースだったが、何とかボールの下にバットを入れて、切れずにいってくれた」。今大会13打点目。17年にバレンティン(オランダ)が記録した大会史上最多の12打点を更新した。

 天才打者の原点は、“プロ1号”にある。1年目の16年3月20日、阪神とのオープン戦で藤川球児の火の玉ストレートを完璧に捉えた。後日に高山を通じて「次に対戦する時も真っすぐで勝負するから」と伝えられた言葉が、ずっと胸に残っている。「相手が好投手ほど燃えるんですよね。やっぱり一流の人との対戦って面白い」。出発点のアーチから、ちょうど7年たった3・20。今度は侍ジャパンの一員として刻み込んだ“米1号”だ。記者会見で現地のメディアから質問を受けると「英語で話しましょうか?」と屈託のない笑みを浮かべた。

 優勝を懸けた米国との頂上決戦に向けて「日本の野球の素晴らしさを世界で証明できる大会になる。世界一を証明できるチャンス」と力を込めた。レッドソックスでの挑戦を前に、再びYOSHIDAの名を全米にとどろかせる。(阪井 日向)

 ≪居合抜き打法だな≫▼河原井正雄氏(青学大時代の恩師)あそこで打つなんて…。涙が出てきたよ。内角のチェンジアップを手首を返さず、ボールの下にバットを入れて運んでいく。だからファウルにならないんだ。あの打ち方は正尚らしい高等技術、居合抜き打法だな。

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2023年3月22日のニュース