大船渡・佐々木 真夏を戦い抜くコンディション管理への意識の高さと頭の良さ

[ 2019年7月20日 08:30 ]

大船渡の佐々木朗希投手
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 全国各地で高校球児が熱闘を繰り広げる中、最大の注目が集まる岩手県。大船渡の163キロ右腕・佐々木朗希投手(3年)が、甲子園出場を目指して戦っている。岩手を制するためには、猛暑の中でのコンディション管理が不可欠。だが、佐々木の意識の高さと頭の良さで、そこはある程度カバーできているように感じた。

 初戦の遠野緑峰戦を勝ち進んだ後、「疲労回復のために意識的に取り組んでいることは何か」という質問が佐々木に飛んだ。その答えは「睡眠をたくさんとることと、体を冷やすこと。グリコーゲンローディングもやっています」というものだった。

 「グリコーゲンローディング」とは、主にマラソンなど長時間行うスポーツのための食事法。試合前の約1週間前から、糖質を制限することで体を糖質が枯渇した状態にする。その後、試合の約3日ほど前になってから普段よりも糖質を多く摂取することで、体のエネルギー貯蔵量を増やすことができる。ダイエットのリバウンドのような原理を、故意に引き起こすことだと考えるとわかりやすい。

 この食事法を佐々木に教えたのはもちろん国保陽平監督なのだが、佐々木自身でも食事法に工夫を行っているという。母・陽子さんによれば、佐々木は家でよく読書をするそうだ。本の内容は、栄養学やトレーニングに関するものなど。その内容に従って「こういうご飯をつくってほしい」と注文が飛び、時には月間の献立のようなものを佐々木が考えて持ってくることもあるそうだ。

 陽子さんは、「朗希は特に数学が得意で成績はいつも5。地頭のいい子だと思う」と誇らしそうに言っていた。さらに、こと野球のこととなると、知識を貪欲に吸収しようと研究しているという。「甲子園に出場するためにこれまでやってきた」と日常生活から準備を進めてきた佐々木。この夏、どんな結果が待っているのか楽しみだ。(記者コラム・武田 勇美)

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2019年7月20日のニュース