最下位転落の広島 早くも土俵際 今季最多借金6…79年逆転Vのデッドラインに到達

[ 2020年7月26日 05:30 ]

セ・リーグ   広島2-6DeNA ( 2020年7月25日    横浜 )

<D・広7>初回1死二、三塁、宮崎に中前適時打を浴び険しい表情を見せる床田(撮影・会津 智海)
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 広島は25日のDeNA戦に2―6で敗れ、勝率差で再び最下位に転落した。先発・床田が4試合連続の初回失点で主導権を渡すと、1点劣勢の6回に登板した薮田は痛恨の3ランを被弾し、万事休す…だ。今季最多の借金6を抱え、主戦・大瀬良が出場選手登録を外れる窮地。過去9度ある優勝年の借金は79年の6が最大だけに、早くもデッドラインに達した格好だ。

 敵地を覆う重苦しい空気が拭えない。前夜に壮絶な逆転サヨナラ負けを喫し、一夜明けのこの日は大黒柱の大瀬良が登録抹消。負の流れにあがなえぬまま、5回3失点で降板した床田は唇をかみしめた。

 「大地さんが抹消され、気合を入れてしっかり投げようと思ったけど、イニングもそこまで投げられなかった。もう少し球数を抑え、ストライク先行で投げられていたら…」

 いきなり主導権を手放した。初回1死からオースティンに四球を与え、中軸に長短3連打を浴びて2失点。立ち上がりの難を解消しようと、登板間のブルペンでは休憩を挟んで15球ずつ5セット投げる調整に変えたが、かいなく初回の失点は自身の登板4試合連続となった。

 「いろいろ試してはいるけど、うまくいかなかったので、もう1回考えないと…。初回がゼロなら、リズムよくいけると思う」
 反省の弁ばかりが口を突く左腕。それでも立ち直り、5回で8安打を許しながらも3失点に粘った。この時点で1点劣勢。終盤の反撃に望みをつなぎたいところで、しかし、2番手として6回に救援した薮田が代打・乙坂に3ランを被弾して万事休す…だ。

 打線に反発力があるうちに、投手陣を立て直したい。この日で29試合を消化したが、先発陣は半分近い14試合で初回に失点、3回までの失点となると実に23試合を数える。中継ぎ陣もリーグワーストの防御率5・31。これでは苦戦を免れない。

 「立ち上がりの難しさはあるけど、同じことを繰り返していたら試合が…ね」。佐々岡監督は床田の初回に苦言を呈し「打たれた球は全部甘い。相手の反応を踏まえ、何を打たれたかを考えて投げないと」と注文した。

 5位・中日には0・5ゲーム差上回るが勝率で2厘下回り、22日以来の最下位転落。借金は今季最多の6となった。79年には最大借金6から優勝した実績があるが、データ上ではこの数字がデッドライン。先発も中継ぎも抑えも…。投壊に苦しむ新生・佐々岡カープ、逆襲は待ったなしだ。 (江尾 卓也)

 ▽79年の広島優勝 古葉監督の5年目。開幕4連敗に始まり、最多借金6(12勝18敗)を喫した5月20日時点は、首位巨人に6・5ゲーム差の最下位だった。6月に入ると、6日からプロ野球記録の33試合連続安打の高橋慶彦が1番で打線をけん引し、守護神・江夏豊が締める必勝パターンで6月23日に初の貯金1。8月13日からの6連勝で首位浮上すると、同27日からの9連勝で独走。4年ぶり2度目のリーグ優勝を決めた10月6日の貯金は23あった。

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