レッズ・秋山 代打で初打席初安打デビュー!守備でも魅せた「ようやくメジャーの選手に」

[ 2020年7月26日 02:30 ]

ナ・リーグ   レッズ7―1タイガース ( 2020年7月24日    シンシナティ )

タイガース戦の6回、代打でメジャー初打席に立ち、適時打を放ってチームメートに祝福されるレッズ・秋山(左端)
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 レッズ・秋山の背中に、日本語の声援が届いた。「ガンバレ!」。声の主は主砲・ボットとスアレスだ。6回2死一、二塁、代打でのメジャーデビュー。西武時代と同じ登場曲、ブルーハーツの「人にやさしく」が流れ、歌詞の「頑張れ!」の意味を知る同僚が叫んでいた。

 「その声で“思い切ってやるだけだな”と割り切ってやれた。それがいい結果になった」

 2球で0―2と追い込まれた。「何とかしないといけないなと。メジャーの1打席目、簡単に終わりたくないなって」。ボールとファウル2球で粘った6球目。96マイル(約155キロ)直球を右中間へはじき返した。日本選手の代打での初打席初安打は05年の中村紀洋(ドジャース)以来2人目で、打点付きは初めて。4点差に突き放し「ようやくメジャーの選手になった」とした。

 代打の後は左翼に入り8回には左中間への飛球を背走し、ジャンピングキャッチする好守も披露した。日本時代も左翼の出場は1試合のみで、プロ1年目の11年以来9年ぶり。「代打で出たのも、レフトの守備も何年ぶりという感じ。打ったのに守備はダメ、というのにはなりたくなかった」と振り返った。

 全30球団で日本人選手がプレーする歴史的な日になったが、複雑な思いに襲われた。相手先発が左腕だったことからスタメン落ち。西武時代の14年途中から続いたフルイニング出場は、プロ野球歴代2位の739試合で止まった。キャンプ再開後は左腕からわずか1安打。「秋山をラインアップに入れる、という信頼を勝ち取り切れなかった。アピールが足りなかったのは自分の実力」と厳しく自己分析する。

 メジャーデビューの感慨も、すぐに消えた。「もっと打席に立たせてもらえるように頑張ろう、という気持ちになった。日本では最近、そういう気持ちになるというのはなかったこと」。1番打者としての不動のレギュラー奪取へ、秋山の闘志に火が付いた。(笹田幸嗣通信員)

 ○…レイズ・筒香、レッズ・秋山がメジャーデビューを果たし、日本選手は計59人が大リーグでプレーした。ここまで唯一、日本選手がプレーしていなかったのはレッズだけ。64年ジャイアンツの村上雅則が日本人大リーガー第1号となって以来、56年かけて全30球団の「コンプリート」を達成した。

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