エンゼルス・大谷、2年ぶり投手復帰へ!カギは“悪魔のスプリット”生かす直球の質

[ 2020年7月27日 03:00 ]

アスレチックス戦を控え、ブルペンで練習するエンゼルス・大谷
Photo By 共同

 エンゼルスの大谷翔平投手が、26日(日本時間27日午前5時10分開始)の敵地アスレチックス戦で2年ぶりに投手復帰する。右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける前の18年は4勝2敗、防御率3・31。メジャー1年目のデータから今季の課題を探ってみた。

 大谷と言えば、100マイル(約161キロ)を超える直球がトレードマークだが、メジャーで評価されたのは変化球だ。米メディアは「アンフェアなスライダー」「悪魔のようなスプリット」と絶賛した。18年の球種別の被打率を見ると

直球 ・382
スライダー ・139
スプリット ・036
カーブ ・077

 特にスプリットの切れ味は抜群で、55打数2安打。63奪三振のうち、35を占めた。

 次にメジャーで指標となるハードヒット率(打球速度95マイル=約153キロ=以上の打球の割合)を見ると

直球 39・1%
スライダー 16・1%
スプリット 30・0%
カーブ 20・0%

 大谷の直球は被打率(・382)、ハードヒット率(39・1%)ともに球種別で最も高い数字だった。質や伸びに関係するとされる「スピンレート(1分間に換算した回転数)」は、平均2164回転。メジャーのトップクラスは平均2300~2500回転といわれている。160キロを投げる投手はゴロゴロいる。単に速いだけでは通用しないのが、メジャーだ。

 開幕直前の20日、大谷は報道陣に自身の直球の被打率の高さについての見解を問われ「直球が95マイル以上出る投手に対して最初から変化球を狙いにいくことは、まずない。僕が打者でも直球を打ちにいって甘い球をしっかり打つという感覚が普通」と、直球待ちの割合が多いことが数字につながっている可能性を示した。圧倒的な威力を誇るスプリットなどの変化球を生かすためにも、今季は直球の質を向上させることがカギとなる。
 

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