東洋「4番・辰徳」でサヨナラ!闘魂込めて9回には同点打、本家ばりのグータッチも披露

[ 2020年7月26日 05:30 ]

東東京代替大会1回戦   東洋3―2巣鴨 ( 2020年7月25日    江戸川 )

<東洋・巣鴨>9回無死二塁、同点適時打を放つ東洋・鈴木(撮影・河野 光希)
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 「原辰徳」が乗り移った。都道府県が独自に開催する代替大会は25日、全国で126試合が行われた。東東京では、東洋が1回戦で巣鴨にサヨナラ勝ち。巨人・原辰徳監督(62)と同じ名前を持つ4番の鈴木辰徳内野手(2年)が1点を追う9回に三塁手を強襲する同点タイムリーを放った。本家ばりの勝負強さを発揮し、劇的勝利に導いた。

 「アーチを架けろ 輝く光浴びて それゆけ辰徳」。本家の応援歌が聞こえてきそうな場面が訪れた。1点を追う9回無死二塁。東洋(東東京)の2年生の4番・鈴木辰徳は打席に向かう前、岡本悠監督から「バントはないぞ」と耳打ちされ、闘志を燃やした。

 「4番として誇りに思いました」。巣鴨の145キロ右腕・宮崎陽太郎(3年)の内角直球を振り抜いた。三塁強襲の同点適時打。後続の安打でサヨナラのホームを駆け抜けた。

 父・教純(のりよし)さん(48)が原辰徳監督の熱烈なファンで同じ名前を名付けられた。守備位置は遊撃だが、同じ右打者だ。「初対面の方にも“辰徳さんから取ったの?”と聞かれます。野球をやっている身としてうれしい」。父とは年間5試合以上、東京ドームで観戦。原監督が通算1000勝を達成した昨年7月30日広島戦も東京ドームを訪れ「最高の思い出」と目を輝かせる。東洋の最寄り駅も東京ドームと同じJR水道橋。巨人のお膝元で高校生活を送ってきた。

 原監督の現役時代は知らないが、映像で印象に残っているのは「伝説のバット投げ」だ。92年7月5日ヤクルト戦(神宮)。9回に伊東の内角攻めに尻もちをついたが、最後は同点2ランを打ってバットを放り投げた。その勝負強さに「かっこ良かった」と憧れた。自身も勝負強さを発揮。ちなみに現役選手では亀井の大ファンだ。

 「次(2回戦)も気を切らさずいければいい」。辰徳は本家ばりにグータッチのポーズを決め、気合を入れ直した。(伊藤 幸男)

 《「辰」は活力旺盛、「徳」は人格者》原辰徳監督の名前は父・貢さんの父・辰次郎さん、母・勝代さんの父・内田徳次さんから1文字ずつ取り、貢さんが「先祖を大事にする気持ちをいつまでも忘れないように」と命名。十二支の「辰」は陽気が動き、雷が声を発し、草木の形が整って活力が旺盛になった状態を表している。「徳」には道を悟った立派な行為、身についた品性、人を感化する人格の力などの意味がある。

 ◆鈴木 辰徳(すずき・たつのり)2004年(平16)2月20日生まれ、東京都足立区出身の16歳。足立伊興小1年から「小西少年野球部」で野球を始めた。遊撃は伊興中入学後から。高校では今年6月から4番に定着。1メートル76、69キロ。右投げ右打ち。

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