阪神・高橋 今季初登板でG斬り7回無失点 「直球で空振り取れない」苦悩から成長見せた11奪三振

[ 2020年8月7日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神11-0巨人 ( 2020年8月6日    甲子園 )

<神・巨(7)>巨人打線を相手に奪三振ショーを演じる高橋(撮影・北條 貴史)
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 阪神は6日、巨人戦に11―0で大勝し、連敗を2で止めた。コンディション不良で出遅れ、今季初登板となった高橋遥人投手(24)が7回3安打無失点。5者連続を含む自己最多11奪三振の快投を披露して、今季初勝利を挙げた。5回に訪れた唯一のピンチを、理想としてきた「空振り三振」で切り抜けるなど進化も見せつけた夜。期待の左腕がチームに明るい光をともした。

 
 “なりたい自分”になれた1球だ。5回2死一、三塁。高橋は、勝負球に自らの進化を問うた。力を振り絞った149キロの直球で陽岱鋼(ヨウダイカン)を空振り三振。「おっしゃ!」。雄叫びに手応えを乗せた。

 「どんどん攻めていく。その通りにできたので良かった」
 
 昨季、悩ましげに漏らした。「僕はストレートで空振りが取れない。変化球ばかり。岩崎さんみたいに、振り遅れじゃない空振りを取りたい」。誰もがうらやむ「宝刀」にも、人知れずコンプレックスがあった。ただ、理想に近づくには欠かせない「過程」があることも痛感していた。

 昨年、手にした3勝より喫した9敗に学んだ。「目の前の1球しか正直考えられなかった。それだけで精いっぱい。でも、たくさん負けた中で、ストライクを取れる変化球がいかに大事か分かった」。昨秋キャンプでは、変化球の精度向上に時間を割いた。「もっと良くなりたいし、もっと勝ちたい」。3球目のツーシームで追い込み、梅野の攻めのサインに迷わずうなずき、直球で仕留めた。学んだ過程と追い求めた「空振り」で、自己最多11個目の三振を奪った。
 
 オフから描いたリベンジも果たした。「よく打たれましたけど、昨年、岡本に投げる時が一番ワクワクした。楽しかった。自分の中でスリルがあって」。昨年、打率・333と打ち込まれた主砲も、1三振を含む3打数無安打と沈黙させた。「本当にできすぎってぐらい、ストレートもそうですけど、ツーシームも一番良かった」。3度対戦した大学の同期・北村も抑え込むなど、7回まで圧倒し続け、バトンを託した。

 「1年目も3年目も期待してもらってる中で、ケガして申し訳ないっていうのはあったけど、鳴尾浜でトレーナーさんにもお世話になったので、そういった人のために思い切っていった」

 出遅れを取り戻すような快投を披露した左腕に矢野監督も「良いピッチングは期待してたけど、本当に素晴らしい」と称賛。コンディションを考慮して登板間隔を空けることも考えられるが、若き左腕の復帰はチームに力強い追い風となる。

 「1試合、1試合ですけど、しっかりつくっていければ」。背番号29が今年の夏を熱くさせる。(遠藤 礼)

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