報徳学園 ベンチで見守った主将のために…手負いの4番・黒田が3安打4打点で勝利けん引

[ 2020年8月7日 22:20 ]

令和2年度夏季兵庫県高等学校野球大会 5回戦   報徳学園9―1市尼崎 =7回表コールド ( 2020年8月7日    ベイコム )

勝利の瞬間マウンドへ集まる報徳ナイン
Photo By スポニチ

 報徳学園の勝利の立役者は4番・黒田英一(3年)だった。1回1死一、二塁の1打席目は先制の中前打、3―1の5回2死二塁からは右越え三塁打とすると、7―1の6回2死二、三塁でも中前2点打を放ち、4打数3安打4打点の活躍でチームをけん引した。

 「いいところに決まる外角の直球に対応できた。僕たちは甲子園に出て後輩につながないといけない学年だったけど、いい野球ができたので姿勢は見せられたと思う」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で練習を自粛し、再開後すぐの出来事だった。スイングした際に背中の痛みに気づいた。診断は第一ろっ骨の疲労骨折。一時はバットを握ることもできず気持ちが折れかけたとき、声をかけてくれたのは三宅雄雅(ゆうが)主将(3年)だった。

 「“俺たちがグラウンドで引っ張るから”と。大会前にチームに迷惑をかけてしまったと思っていたけど、励まされました」

 主将は、最後の試合をベンチから見守った。不動の中堅だった主将は、大会期間の練習中にスローイングした際、右肘を骨折。手術が必要だと発覚した日、普段は絶対に泣かないという主将が仲間の前で泣いた。

 「俺もチームのために最後まで頑張るから、全員野球で勝ちきろう」

 魂のこもった言葉でチームは一つになった。

 最後の試合となったこの日の朝、大角健二監督(40)が「泣きそうになった」場面があった。メンバー外の選手を含め、3年生40人全員でウオームアップ。

 「こんなチームほかにあるのかな、と。この学年はいい子が多い。でもそれだけでは終わりたくなかった。最後に熱さ、強さ、仲の良さ、全てを見せてくれた。最高のチームです」

 頼れるエースが、手負いの4番が、ベンチの主将が、チーム全員が一つになり、夏を終えた。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2020年8月7日のニュース