マウンドに上がった巨人・増田大内野手 元とび職人の苦労人…大学中退も夢追い独立Lへ

[ 2020年8月7日 06:30 ]

セ・リーグ   巨人0―11阪神 ( 2020年8月6日    甲子園 )

<神・巨>8回に登板して打者2人を打ち取った増田大は笑顔でベンチに戻る(撮影・大森 寛明)
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 巨人は6日、阪神に0―11で大敗し、連勝は2で止まった。原辰徳監督(62)は1死無走者から野手の増田大輝内野手(27)を救援登板させ、増田大は打者2人を抑えた。巨人では2リーグ制以降、野手登録の選手が登板するのは史上初めて。

《増田大という男》

 忘れられない言葉がある。「いい記事をつくっていただき、ありがとうございました」。増田大が胸に秘める走塁論を明かしてくれて書けた原稿。感謝するのはこちらだろう。お礼を言われた時はうれしかった。

 律義な性格は苦労を積んできたから。近大に進学するも2年時に中退。帰郷すると野球の道を諦めてとび職に就いた。「このままでいいのか」とテスト入団した四国IL・徳島を経て、22歳だった15年の育成ドラフトで巨人入り。野球に集中するため、妻子を残して入寮した。17年の支配下登録後も単身生活を続け、週に1度届く優香夫人の手料理入り冷凍保存容器が支えだ。

 1軍出場のためなら何でもやった。本職は内野ながら外野の練習を始め、昨年は原監督から有事に備えた捕手起用の意向を伝えられると「できます」と即答したという。背番号は今季から「0」。10年に37歳で急逝した木村拓也氏がかつてつけた番号だ。捕手で緊急起用した原監督の、「スーパーサブの番号」という思いが込められている。(神田 佑)

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