ソフトB・和田 “初体験”も39歳の経験さすが!「初回から全力」魂の82球で6回零封

[ 2020年10月28日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5-1ロッテ ( 2020年10月27日    ペイペイD )

<ソ・ロ>リーグ優勝を決め、ベンチから飛び出す和田(右から5人目)らナイン(撮影・坂田 高浩)
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 マスク越しでも笑顔は分かった。勝利の瞬間、万歳をしてベンチから出た和田は「優勝が懸かった試合で自分らしい投球ができて良かった」と喜びに浸った。6回を3安打無失点。8奪三振の力投で8勝目を挙げ、歓喜の瞬間を呼んだ。

 最速146キロを計測した直球を軸に4回まで毎回の7奪三振。5回には1死一、二塁と初めて得点圏に走者を背負ったが、崩れない。藤岡を二ゴロに打ち取り、元同僚の福田秀には144キロ直球を2球続けて左飛に仕留めた。「初回から全力でスタミナが切れるまで投げた」。82球に魂を込め、先発の役目を果たした。工藤監督も「さすが、素晴らしいというピッチングをしてくれた」と称えた。

 リーグ優勝が懸かった先発は日米でプロ18年目の左腕にとっても「実は初めて」。ただし、経験は豊富だ。03年のこの日と同じ10月27日だった。当時、新人だった和田は3勝3敗で迎えた阪神との日本シリーズ第7戦で完投勝利して胴上げ投手となった。あの時と変わらない小気味いいピッチング。17年の時が流れたが、頼もしい姿は変わっていない。

 来年2月で40歳になる。「松坂世代」は阪神・藤川も今季限りでユニホームを脱ぎ、現役選手はわずかとなった。和田は昨季左肩痛から復帰して4勝したが、「1年間ローテーションを守ってこそ、本当の復活だと思っている」と今季への思いは強かった。支えとなったのは練習量。1月の自主トレに同行した笠谷は「全てにおいて怪物。体力もランの量も年々増えてます」と舌を巻いていた。

 日米通算143勝目。同僚でライバルでもあった杉内(現巨人2軍投手コーチ)を超えたベテランは「(優勝の重圧を)楽しもうと思った。今年、一番良かった」と誇らしげだった。(森 寛一)

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