コロナ禍でのワールドシリーズ 舞台の新球場、観客数制限も働けた喜びに笑顔のスタッフ

[ 2020年10月28日 22:58 ]

ワールドシリーズ第6戦   ドジャース3―1レイズ ( 2020年10月27日    アーリントン )

ワールドシリーズのパンフレットを販売するショーン・デービスさん(撮影・奥田秀樹通信員)
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 今季、コロナ禍の影響でメジャーの球場で多くの人が仕事を奪われた。レンジャーズによると昨季まで4万9000人収容の本拠地グローブライフ・パークで満員の試合では売店のスタッフ、警備員など、1000人以上が球場で仕事を得ていたという。

 今季、新球場グローブライフ・フィールドのこけら落としは3月31日、大谷が所属するエンゼルスを迎えての本拠地開幕戦だった。ワールドシリーズ期間中に球場入り口でパンフレットを販売するショーン・デービスさん(51)は「美しい球場だし、みんなエキサイトしていた。開幕が延期されたと聞いて、がっかりした。でもその時はここまで長引くとは思わなかった」と振り返る。

 レンジャーズの受けた打撃は大きかった。12億ドル(約1248億円)をかけた新球場で、1年目は当然チケットがたくさん売れると予測していたのに、一転払い戻しに追われた。チーム関連グッズも売上は伸びず、売店の飲食売上はゼロ。レイ・デービス・オーナーは6月初めの時点では収容人数の50%ほどに抑えて有観客で試合を開催できないかと動いたが、感染者増加で叶わなかった。7月、開幕を前に500人のフルタイムの球団職員のうち60人を一時解雇。野球部門、ビジネス部門のスタッフだった。

 デービスさんは他に本業があり、パンフレット販売はあくまで副業。それでも公式戦が始まっても無観客のため、仕事は回ってこず、待たされることに。「お金に関しては、球団が100万ドル(約1億400万円)を寄付して、夏に私達球場のスタッフに払ってくれた。とても感謝している」。ナ・リーグ優勝決定シリーズからようやく有観客開催となったが、パンフレットは制作せず、デービスさんに仕事が回ってくることはなかった。

 10月20日、ワールドシリーズ第1戦の日が新球場での初仕事。203日間も待った。「他の球場ならチャンスがなかったわけで、私は幸運だった。プログラムも毎日3000部も売れているよ」。ワールドシリーズは約1万1000人と観客数を制限しているため、球場で働くスタッフも500人と通常の半分。それでも、ようやく球場で働けた喜びに、スタッフたちの表情は笑顔に包まれていた。(奥田秀樹通信員)

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