データで見る「工藤ソフト」の強さ 王&秋山に並んだ球団2位タイ“3度目優勝” 

[ 2020年10月28日 05:30 ]

ソフトバンク 3年ぶりリーグ制覇 ( 2020年10月27日 )

ソフトバンク・工藤公康監督
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 ソフトバンクが3年ぶり21度目のリーグ優勝を果たした。10月上旬までロッテと激しく競っていたが、最終的には8月22日以降首位の座を譲らずゴールに飛び込んだ。工藤監督の下、3度目の頂点に立ったソフトバンクの強さをデータから探った。(記録課・八田 朝尊)

 【3人目6季連続2位以上】工藤監督は15、17年に続く3度目の優勝。ソフトバンクでは鶴岡一人11度に次ぎ、王貞治、秋山幸二に並ぶ2位タイとなった。監督初就任から6年連続で2位以上は巨人・藤本定義(9季連続=36~42年)、阪急・上田利治(6季連続=74~78、81)に次いで3人目の偉業だ。

 【唯一本拠&ビジター貯金】今季はホームで37勝19敗1分け、ビジターで29勝21敗4分け。ホーム、ビジターともに貯金はソフトバンクだけだ。曜日別でも全て5割以上。デーゲーム(16勝14敗)も薄暮を含むナイター(50勝26敗5分け)も勝ち越しており安定した戦いぶりを見せた。

 【111戦105通りのオーダー】開幕直後から日替わりでメンバーを変更、111試合で105通りのオーダーを組んだ。2試合連続同じだったのは7月19日オリックス戦、21日日本ハム戦と8月28、29日の日本ハム戦の2度だけだ。打順別では3番(6人)、4番(9人)以外は全て10人以上先発している。全打順で6人以上起用したのはチーム初。相手や調子を見ながらの工藤監督の巧みな采配で選手の能力を引き出した。

 【欠場「1」でチーム内7冠】オーダーは日替わりでも軸になる選手は不変だ。昨年38試合しか出場できなかった柳田が完全復活。欠場はわずか1試合のみで打率、本塁打、打点、安打、得点、出塁率、得点圏打率でチームトップ。打撃3冠部門全てリーグ3位以内となれば17年以来自身3度目。パの日本人で3度以上は落合博満(ロ)以来、チームでは野村克也以来となる。

 【チーム&先発&救援 防御率パ1位】チーム防御率2.96、先発防御率3.17、救援防御率2.62はいずれもリーグトップ。チーム防御率は2位ロッテと0.94差。防御率で2位に0.90以上の差をつけて優勝したチームは過去になく、突出した投手力を見せつけた。ただし、完投数3(石川2、千賀1)は昨年と並ぶチームワースト。完投勝利は8月1日西武戦の石川(完封)のみで、シーズン1完投勝利だと昨年の2を下回りチームワーストとなってしまう。

 【パ2度目ホールド数が試合数超え?】完投数が少ないのは計算できる救援陣がいた証拠だ。今季はここまで116ホールド(H)。年間でホールド数が試合数を上回れば、昨年の楽天に続きパでは2度目となる。中でもモイネロはここまでチーム歴代5位の37H。2年連続30H以上は摂津正(09、10年)、五十嵐亮太(14、15年)に次ぐ3人目で抜群の存在感を見せている。

 【53年ぶり規定未到達盗塁王?】盗塁はリーグ最多の93盗塁。そのうち周東が46盗塁で49%を占めている。周東の盗塁成功率は楽天、日本ハム戦で10割を記録するなど.902。このまま45盗塁以上で成功率.900以上となれば43年呉昌征(巨=.915)、50年木塚忠助(南海=.907)に次ぐ3人目となる。また、規定打席未達の盗塁王ならパでは66年山本公士(阪急)、67年西田孝之(東京)以来53年ぶり3人目と珍しい。

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