慶大34年ぶり日本一!福沢諭吉先生の理念「自我作古」ナインが実践 堀井哲也監督「感無量です」

[ 2021年6月13日 16:16 ]

第70回全日本大学野球選手権・決勝   慶大13―2福井工大 ( 2021年6月13日    神宮 )

<全日本大学野球選手権決勝 福井工大・慶大>優勝し喜ぶ慶大ナイン(撮影・小海途 良幹)
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 「自我作古」。

 「じがさっこ」と読む。

 慶大野球部のグラウンドの右翼後方にあるネットに掲げられてる言葉だ。19年12月に就任した堀井哲也監督は「慶応の歴史も教えていかないといけない」と言う。大学の創設者、福沢諭吉が建学の理念として掲げた四文字。今までの常識にとらわれず、新たな歴史を自らの手で創る、そんな意味が込められているという。
 ある日の練習中、堀井監督が、選手を呼び止めた。「自我作古にはどういう意味があると思う?」。選手は、少しの時間を置いて答える。「自らが考えて新たな道を切り開く。そういうことだと思います」。選手たちは、考えながら成長してきた。

 堀井監督は97年に三菱自動車岡崎の監督に就任した。1年目のシーズンは全く勝てず、オフにバスケットボール界の名将、中村和雄監督に会いに、秋田を訪れた。「藁にもすがる思いだった。中村監督は人と違う視点を持っている方。ゴルフを一緒にやって、きりたんぽを食べて。帰り際に、一言、言われたんです。“監督、しっかりやらなきゃダメだよ”って。それが残っているんですよね」。

 選手に好かれることよりも、どうやったらチームが勝てるのか。勝つためにどう決断をするのか。チームは監督2年目に都市対抗に初出場した。05年にJR東日本の監督を務め、2011年には都市対抗制覇に導いた。

 社会人と学生野球の違いについては「18~22歳くらいで、未完成さが大きな成長、変化につながる。毎日が驚きの連続」と話す。野球ノートを介して選手とコミュニケーションを図り、ミーティングで話したことは、マネジャーが議事録としてチームで共有した。朝から晩までグラウンドに立ち、160人を超える部員に向き合った。昼食はベンチで立ちながら食べることも珍しくない。「学生としてできることはやっていこう」と、チームでは野球部寮の周辺の清掃活動もこなした。

 34年ぶり4度目の日本一に「本当によくやってくれた。選手が集中してくれた。感無量です」。堀井監督が目指した「考える野球」を、選手が実践した。(川島 毅洋)

 ◇堀井 哲也(ほりい・てつや)1962年(昭37)1月31日生まれ、静岡県出身の59歳。韮山から慶大を経て三菱自動車川崎でプレー。引退後はコーチ、マネジャーを務めた。三菱自動車岡崎、JR東日本で監督を歴任し、19年12月から慶大監督。

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