慶大野球部が34年ぶりの日本一 感無量の堀井哲也監督

[ 2021年6月13日 17:18 ]

<全日本大学選手権決勝 慶大・福井工大>ウイニングボールを手にする慶大・堀井監督 (撮影・西川祐介)
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 【伊藤幸男の一期一会】慶大が13日の全日本大学野球選手権で福井工大を下し、1987年以来、34年ぶりの大学日本一に輝いた。堀井哲也監督(59)は万感迫る思いだったに違いない。

 一昨年12月、JR東日本監督から母校の指導者に就任。5年間で3度の東京六大学リーグVに導いた大久保秀昭監督(51)の後任として重圧はあったはずだ。

 コロナ禍で中止まで検討された20年春のリーグ戦は1試合総当たり方式で8月に開催。慶大は4勝1敗も法大に次ぎ2位に終わった。秋は早慶戦で1勝すれば優勝に迫ったが、初戦は早川隆久(楽天)に零敗。第2戦は9回2死までリードも、蛭間拓哉外野手(浦和学院)に逆転2ランを喫してしまう。

 同試合で堀井監督の投手起用が物議を醸した。左打者の蛭間が打席に立つと、8回から打者5人を無安打に抑えた木沢尚文(ヤクルト)から、左腕・生井惇己(慶応)へスイッチ。しかし初球のスライダーを中堅席に運ばれた。結果だけ見れば木沢続投だったかもしれない。ただエースは前日、蛭間に決勝弾を浴びている。堀井監督はワンポイントで生井を送り出した。本来は「外角の直球を狙う」はずの蛭間が瞬時に変化球に対応。天才的なバットコントロールが勝ったのだ。

 「3日間ほど眠れませんでした」。後日、堀井監督が述懐した。1997~04年途中まで三菱自動車岡崎、05~19年まではJR東日本で采配を振るってきた。20年以上の監督人生で起用法の後悔は何度かあった。ただ従来は「一晩で切り替えられた」はずが、ネットなどの声も手伝い落ち込んだという。しかし、それだけ大学野球が世間に注目されているからこその“激励”だと、開き直れた以降は吹っ切れた。

 この試合でも生井を終盤の2イニングに起用。無失点と期待に応えると、今大会初めて5番に起用した北村謙介捕手(3年、東筑)が3安打1打点と結果を残した。「本当によくやってくれた。選手が集中してくれた」。慶大4年時にレギュラーをつかみ、社会人でもマネージャーを経て指導者に就任するなど「苦労人」らしい堀井監督の談話だった。
 

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