阪神・佐藤輝“モノノフ対決”勝ったZ マー君宝刀スライダー仕留めた16号 交流戦新人最多タイ12打点

[ 2021年6月13日 05:30 ]

交流戦   阪神9ー1楽天 ( 2021年6月12日    楽天生命パーク )

<楽・神>6回2死、右越えソロを放ちZポーズを決める佐藤輝(右)(撮影・大森 寛明)
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 阪神・佐藤輝明内野手(22)が12日の楽天戦で田中将大投手(32)と初対戦し、16号ソロを含む2安打を放った。日米通算179勝を誇る難敵が得意とするスライダーを捉え、連日観戦に訪れた父方の祖父母に最高の勇姿を届けた。9回の中前打を合わせて4度目の猛打賞。交流戦12打点は19年中川圭(オリックス)の新人最多に並び、5連勝、今季最多貯金19、17年以来の交流戦勝ち越しに貢献した。

 注目を集める対決で結果を残し続けるあたりが、持ってる男の証だろう。佐藤輝は規格外を証明するアーチを仙台の空にかけた。あの田中将から――。

 「とにかく強いスイングで、自分らしいスイングでってことだけ考えて。ちょっと詰まってましたけど、しっかり当たったんで入ったかなと思いました」

 1点優勢の6回2死。スプリット2球で追い込まれた直後、3球目のスライダーを捉えた。田中将にとっては被打率が最も低く、楽天復帰後は被弾のなかった「宝刀」だ。しかもコースは膝元。それを仕留めた。大きな放物線を描いた5試合20打席ぶりの16号を右翼席へ打ち込み、田中将に「別にそんな甘いボールではなかったと思う。うまく打たれました」と言わせた。

 4回2死でも右前打を放ち、2安打1打点。「日本を代表する投手ですし、その中で自分の強いスイングをして、どれだけできるのかなって思っていて。今日はうまくいきました」。ともにアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の大ファンで、同じ「吼えろ」が入場曲。“モノノフ対決”を見事に制し、はにかんだ。

 「ゲームに入れば真剣勝負なんで、そこは頭の中になかった。けど、そういう注目が集まる中でしっかり打てたのは良かったかな」

 父方の祖父母が連日の観戦。幼少期から宮城に帰省するたびに祖父・勲さんとテニスコートでのキャッチボールなどで白球を追いかけた。小学校で本格的に野球を始めてからは、関西圏まで度々駆けつけてくれた祖父の地元で最高の孝行ぶり。「祖父母の前で、こういう活躍ができて、とてもうれしいです」とうなずいた。

 1試合3発など華々しい足跡を残してきた初の交流戦は、あと1試合。13日は同じ4球団競合のドラフト1位指名でプロ入りした早川との対決だ。「すごくいいピッチャーですし、それに負けないようにしっかり自分のスイングをして絶対に打ちたい。記録よりもしっかりチームに貢献できるように。打点だったりホームランを積み重ねて、その結果、更新できたらうれしい」。リーグ戦再開へ弾みをつける理想の締めくくりを思い描いた。(阪井 日向)

 《得意球運んだ》佐藤輝(神)が6回、田中将(楽)から右越えに16号ソロ。交流戦12打点目で、新人選手では19年中川(オ)の最多記録に並んだ。打ったスライダーは田中将にとって、この試合まで8試合726球のうち球種別最多の247球を投げ、被打率は最も低い・172(64打数11安打)、被本塁打0の得意球だった。(数字は共同通信デジタル「TSUBASA」)

 《新人左打者歴代3位》佐藤輝の交流戦6本塁打は新人最多記録を更新。新人のシーズン16本以上は59年桑田武(大洋)、86年清原和博(西)の各31本を筆頭に27人目。うち左打者では46年大下弘(セネタース)の20本、98年高橋由伸(巨)の19本に次ぎ、55年榎本喜八(毎日)84年小早川毅彦(広島)、99年福留孝介(中日)と並ぶ歴代3位だ。

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