ファンを驚かせた犠打3連発 楽天・石井一久監督と恩師・ノムさんとの不思議な縁

[ 2021年6月13日 10:00 ]

楽天・石井一久監督
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 野球は「記録のスポーツ」とも言われる。メジャー4年目でコンディションが万全となり、今年は二刀流で大活躍しているエンゼルス・大谷が「ベーブ・ルース以来、○○年ぶり」と報じられるなど、快記録や珍しいプレーが起こると過去の偉人やチームにスポットが当たる。歴史のあるメジャーリーグやプロ野球では、それがファンの楽しみの一つとも言える。

 今月5日。楽天の石井一久監督(47)がマツダスタジアムで行われた広島戦で珍しい采配を披露した。3―3で迎えた8回に島内のソロで勝ち越し、なお無死一、二塁。まずは辰巳がしっかりと送りバントを決めると、相手の失策もあって塁に残り、無死満塁の絶好機となった。ここで石井監督が奇策に打って出る。太田、村林にいずれも初球にスクイズのサインを送り、両者ともに見事に期待に応えた。塁が埋まっている状況で本塁はフォースプレーとなるが、もちろんバッテリーとしてはスクイズも警戒する場面。どこかで大きく外す可能性もあるが、投手有利なカウントとするため、初球は外しにくいものだ。そんなバッテリー心理も読んだ妙策だ。

 1イニング3犠打はプロ野球タイ記録だった。チームとしては、2009年5月13日の日本ハム戦の4回に嶋、聖沢、内村が記録して以来、12年ぶりで、その時も聖沢と内村は連続スクイズだった。当時は野村克也監督。石井監督にとってはプロ入りしたヤクルトでの恩師だ。しかも当日は西武時代にオリックス戦に先発して日米通算150勝を達成したメモリアルな日。12年後に楽天の監督として、恩師をほうふつさせる采配を披露した。

 チーム本塁打も打率も決してパ・リーグの上位ではないが、ソフトバンクを抑えて首位を走る楽天。適材適所の用兵など「野村イズム」を継承する石井監督の采配も、首位快走の要因と言える。(記者コラム・山田忠範)

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