ソフトB1位指名の井上、高校生野手で12球団唯一の1位に「心臓バクバクだった」

[ 2020年10月27日 05:30 ]

プロ野球ドラフト会議2020 ( 2020年10月26日 )

マネジャー手作りの帽子をかぶり、野球部員とともに記念撮影に収まる花咲徳栄・井上
Photo By スポニチ

 緊張の面持ちの中、テレビ画面をじっと見つめた。高校生野手では12球団で唯一の1位指名。花咲徳栄・井上は名前を読み上げられても表情は崩さなかったが、岩井隆監督から肩を叩かれると、ようやく笑みがこぼれた。「指名された瞬間は心臓がバクバクだったんですけど(岩井監督に)肩を押していただいて楽になった。小さい頃からの夢だったプロ野球選手になれたという実感が少しずつ湧いてきました」と喜びに浸った。

 高校通算50本塁打を放ち、プロへの意識を芽生えさせてくれたのが岩井監督だった。大学進学かプロを目指すか悩んでいた昨年12月に相談し「プロを目指したいと話してから、自分の中でも変わりました」。それまで以上に練習に取り組み、主将として雑用も率先してこなした。グラウンドには一番乗りし、最後まで残るようになった。ドラフト前日の25日は、指揮官とともに高校近くの鷲宮神社を参拝し「プロの世界に指名されるように」と願った。厳しく接してきた恩師は「初めて井上の背中が大きく見えた」と笑みをこぼした。

 ソフトバンクは37歳の松田宣の後継者が補強ポイントだった。工藤監督は「三拍子そろった能力が高い三塁手と聞いている」と期待を寄せた。永井智浩編成・育成部長兼スカウト室長は「走攻守でレベルの高い選手。遠くに飛ばせる能力を持っていて、楽しみ」と高評価を口にした。

 井上はソフトバンクの印象について「投打ともに12球団トップクラスというイメージがある」と話し、目指す選手像は「内川選手のようにホームランも打てて、毎年コンスタントに3割30本を打てるようになり、息の長い選手になりたい」と意気込む。

 「朋也」の名前の由来は「いろんな方との縁に恵まれるように」という意味。高校で成長させてくれた恩師のためにも、福岡の地で大きく羽ばたく。

 ◆井上 朋也(いのうえ・ともや)2003年(平15)1月28日生まれ、大阪府四條畷市出身の17歳。小2から野球を始め、四條畷中時代は生駒ボーイズに所属。花咲徳栄では入部直後からレギュラー。小学校で6年間習っていた空手は黒帯の実力。1メートル81、87キロ。右投げ右打ち。

続きを表示

2020年10月27日のニュース