巨人 1位外しても話題性No.1!個性派ズラリ19人 坂本勇人だ菅野2世だ2メートル2人だ

[ 2020年10月27日 05:30 ]

1位指名で近大・佐藤の交渉権をかけてくじを引く巨人・原監督(c)NPB/BBM2020
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 「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が26日、都内のホテルで行われ、巨人が育成枠も含めてドラフト史上最多となる19人の指名を敢行。原辰徳監督(62)は4球団競合の末に近大・佐藤輝明内野手(21)の抽選は外したが、その後も積極的にタクトを振り続け、終わってみれば「主役」の座を奪った。

 来季、そして近未来を見据えた卓上の戦略ゆえに、バラエティーに富んだ個性派が並んだ。原監督は「バランスが良く100点に近い」と総括。ドラフト史上最多の19人の指名を敢行した。

 「(1位で)佐藤君が獲れなかったのは残念ですが、平内君は将来性を含め、即戦力の先発でもリリーフでも、といういい投手。非常に喜んでおります」

 4球団が競合した近大・佐藤を外し、自身の抽選成績を1勝11敗としたが「福があってほしいという気持ちの一点でございました」と何のその。外れ1位の「単独指名」が確定すると、マスク越しでも分かる満面の笑みだ。

 平内は今秋最速を更新する156キロを叩き出した本格派右腕。スカウトの見立てでは、亜大でも務めた抑えとしてはプロでも即通用し、指揮官は中6日以上の間隔を空けながらの先発起用案も頭に描く。「(菅野)智之タイプ。まさに智之2世」と形容。「非常にスケールが大きい。来年は先発の一角になるぐらいの投手」と評した。

 菅野2世だけでなく正真正銘の「坂本勇人」も指名した。看板選手と同姓同名の唐津商の捕手が育成6位。指名直後、育成ドラフトから二岡3軍監督と共に参加した阿部2軍監督らも座るテーブルが異様な盛り上がりを見せた。強肩、強打で将来性を見込まれる逸材。ここに球団が掲げた「発掘と育成の元年」というテーマがある。

 現在の育成選手が20人の中、同枠で12人も指名。大塚淳弘球団副代表編成担当は「血の入れ替えが必要。3年後、4年後のドラフト1位を育成で指名できた」と断行した。本指名の5位で、ドラフト指名選手の日本人史上最長身2メートルの二刀流、二松学舎大付・秋広。育成8位では札幌大谷の左腕で同身長の阿部も指名した。将来性ある「ツインタワー」。スケールまで大きい。

 本指名の2位も驚きだった。原監督の母校で大麻問題で無期限活動停止中の東海大・山崎を指名。今年6月に右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、復活まで1年4カ月はかかるとみるが「肩と違って肘は完治する」という見立てで球団方針は一致。来季終盤、優勝争いに加わる戦力となる。

 1~3軍を統括する原全権監督は「非常にいいドラフトでした」とうなずいた。もしもファンがいたら、どよめきが連発しただろう。新様式のドラフトで話題をかっさらった。(神田 佑)

 ▼唐津商・坂本勇人 指名されてうれしい。坂本選手は偉大な選手。自分もその名に恥じないように頑張っていきたい。

 【同一球団の同姓同名選手】

 ★高橋明(71~72年西鉄)外野手が先に入団し、投手が巨人から移籍。年長で実績のあった投手が「高橋明」、外野手は「高橋外」と表記された。72年にそろって引退。

 ★佐藤文男(82年阪神)ポジションも投手で重複。年長選手が「佐藤文」、年少選手が「佐藤男」と区別されたが、ともに同年の1軍出場はなかった。

 ★田中幸雄(86~89年日本ハム)ともに主力として活躍し、同じ試合にも出場。投手が「田中幸」と表記され、愛称「オオユキ」、内野手が「田中雄」で「コユキ」と呼ばれた。

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