優勝監督インタビュー 工藤監督「温かい拍手をいただき、心の中で応援していただき、勇気をもらった」

[ 2020年10月27日 22:05 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5ー1ロッテ ( 2020年10月27日    ペイペイD )

<ソ・ロ>斉藤惇コミッショナーからカップを授与された工藤監督は握手がわりのグータッチ(撮影・長久保豊)
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 ソフトバンクは27日、優勝マジック2で迎えた2位・ロッテとの直接対決を制して3年ぶり19度目のリーグ優勝(1リーグ時代を含めると21度目)を決めた。工藤公康監督(57)はペイペイドームに上がったお立ち台で、新型コロナウイルスなどの影響もあった特別な1年に対し、ファンへの感謝の思いを口にし、一丸となって戦い抜いた選手を称えた。

 ――3年ぶりのリーグ優勝。今の率直な思いは?

 「勝った瞬間は何とも言えないふわふわした気持ちで、みんなと顔合わせた時に勝ったんだなという自覚と、ホッとしています」

 ――いつもとは違う1年だった。

 「今年は新型コロナウイルスで野球界の開幕も3月20日から6月19日に延びて、多くの方が何とか開幕しようとNPBはじめ球団のみなさま、関係者のみなさまが一生懸命尽力していただいたおかげで6月19日に開幕できたと思います。そしてもう一つ医療従事者のみなさまの献身的な行いがなければ、プロ野球が開幕できなかったかもしれない。我々は医療従事者の皆さまに多くの勇気をいただいたと思いますし、我々も野球を通して何とか少しでも元気になってもらおうと一生懸命頑張った結果が、この優勝につながったのではないかと思います」

 ――和田の見事な投球。甲斐の本塁打と投打がかみ合った。

 「今日は多分凄くみんな緊張していたと思いますけども。その中で和田君がさすがだな、素晴らしいというピッチングをしてくれました。ベンチにいる選手誰もがその投球に勇気をもらって打つことができたのではないかと思います」

 ――最終回は守護神・森が締めた。

 「ちょっと投げすぎですね(笑い)。でもやはりこの優勝の瞬間というのは緊張するところだと思うし、今年1年抑えを任せた森君が、やはり彼でも緊張するんだなと思いましたが、最後はさすがだなと。やっぱり締めるところを締めるなと。(森を見て)よく投げたよ、はい」

 ――序盤は混戦模様で苦しい時期もあった。選手たちにはどんな声を掛けてきたのか?

 「とにかく一喜一憂しないで、今日だめだとしても明日はいい1日がくる。日々気持ちを切り替えて、日々新たに今日も始まるという思いで1年間やってきました。いろいろなことがある中で自分で反省し、準備し、その中でホークスらしい野球ができたのではないかなと思います」

 ――終盤はロッテに迫られたが12連勝があった。

 「さすがです。僕も今年ベンチで見ていて、常に選手が明るく元気でいられるように、ベンチの中では川島君やマッチが若手にいろいろ声を掛けてくれました。ベテランの長谷川君も若手にアドバイスしてくれたことで乗り切れたこともあったんじゃないかと思います。みんな一丸となって明るく元気にしてくれたことが、この12連勝につながり、リーグ優勝につながったと思います」

 ――リーグ優勝というものにかけていた思いは?

 「絶対勝ちたいという思いで今季は始まりました。ただどうしてもコンディショニングを整えたり、調整はコロナのこともあって難しかったと思います。選手たちはよく調整してやってくれた。それがなかったら勝てたかどうかは分からない。勝つために自分の最善を尽くしてくれた結果だと思います」

 ――亡くなられた川村コーチも喜んでくれているのでは?
 「はい。それは僕もずっと彼にはお世話になりましたし、前のダイエー時代から本当にお世話になって、いつも明るく振る舞ってくれて、常に選手に声を掛けてくれ、いい思い出を残してくれた方。その人の思いも含めて今日みんなTシャツを着たと思いますけど、その思いを一身に背負って今日は絶対勝つぞと強い気持ちで臨むことができたのではないかと思いますし、川村さんに本当に感謝したいと思います」

 ――次はCSが待っている。
 「勝つことしか考えていません。まだ優勝が決まっても試合は残っているので、そこには自分なりに全力で、見に来てくれるファンの方もいらっしゃるので全力で挑みたいと思います。。それが終わったらまたクライマックスへ向けて準備をして、一つも落とさないつもりでクライマックスを勝ち、そして日本シリーズへ行ってしっかり勝てるように。みんなで力を合わせて、また明るく元気に頑張っていきたいと思います」

 ――最後にファンへ向けてひとこと。

 「応援いただきありがとうございます。皆さまの、今年はなかなか声に出せないところはありましたけど、拍手が何よりも選手の力になりました。どんな時も温かい拍手をいただき、心の中で応援していただき、勇気をもらったことで、選手たちは打席の中でも、マウンドの上でも勇気を持って投げられたと思います。苦しいシーズンでしたが、みなさまのおかげで勝つことができました。本当にありがとうございました」

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