広島、誠也で4カードぶり勝ち越し 同点2ラン含む3安打3打点大暴れ

[ 2019年8月22日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―4ヤクルト ( 2019年8月21日    マツダ )

3回2死一塁、鈴木は中越えに2点本塁打を放つ (撮影・奥 調)
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 広島は21日のヤクルト戦を逆転で制し、4カードぶりに勝ち越しを決めた。主砲・鈴木誠也外野手(25)が2試合連続の25号同点2ランなど2度の劣勢を跳ね返す3安打3打点の大暴れ。同点の8回には安部友裕内野手(30)が7号決勝弾を右中間へ運び、5番手・遠藤淳志投手(20)にうれしいプロ初星が付いた。接戦を制し、DeNAを抜いて2位浮上に成功した。

 9回の同点3ランが劇勝につながった前夜と同様、殊勲打を譲っても、チームの連勝に最も貢献したのは主砲だった。2度の劣勢をハネ返す価値ある3安打3打点。鈴木は「投手も大変。取れるところで得点したい…と常に思っているので」と安どの息をついた。

 2点を追う3回だ。2死一塁で、真ん中低めに甘く入った石川の初球スライダーを強振。「甘い球を自分のスイングでしっかり捉えることができた」打球は、バックスクリーンを直撃する2試合連続の25号同点2ランとなった。

 再び2点劣勢で迎えた5回にも勝負強さを発揮する。菊池涼の左中間適時二塁打に続いて、1ストライクからの高めシンカーを左前同点打とし「チャンスだったので積極的にいった。走者を還せてよかった」と笑った。

 本人は無意識でも、初戴冠へリーグトップを独走する打率。さらには量産態勢に入りつつある本塁打、打点。磨きがかかる強打は、足裏に一因があった。17年夏に骨折した右足首。昨季までは軸足となる右母指球の感覚がなかったが、ようやく痛みを気にせずプレーできる状態に戻った。

 「自然体で入れるようになった…という感じです。痛みを意識せずに打席に入れているのはいいこと」

 打球の強さやパワーを出すのに、母指球を含む軸足の踏ん張りはとても重要だ。自然体効果はそれだけじゃない。本来持つスピードをも取り戻し、中前打を放った7回にはすかさず二盗に成功。既に自己最多を更新する盗塁数は19個となった。

 連日の接戦を制し、4カードぶりの勝ち越し。緒方監督は「今日も誠也が反撃の2ランを打ってくれた。あれで“イケる”という感じになった」と主砲の働きに目を細める。

 首位・巨人とは6・5ゲーム差のままながら、DeNAを抜いて2位浮上に成功。「気が抜けないし、負けはより一層許されない。得点圏で仕事ができるように頑張りたい」。状況は厳しくても、逆転4連覇への光を求めて攻守走に奮闘する主砲の姿が頼もしい。(江尾 卓也)

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