【令和新時代 夏のメモリー】木内幸雄氏語る現代の甲子園 “マジック”通用しない「ずっと上のレベルに」

[ 2019年8月22日 08:30 ]

常総学院前監督の木内幸雄氏
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 時代は変わった。もう昔とは違う。令和元年の夏。全試合をテレビ観戦しているという常総学院前監督で、甲子園通算40勝の名将・木内幸男氏(88)はこう言った。

 「昔と比べて、ずっと上のレベルになっちゃったね。1、2点の勝負ってのはないから」

 率直な感想だった。金属バットは飛距離を抑えるため900グラム以上と規定されているが、下位打線の打者が逆方向へ本塁打してしまう。剛球と呼ばれる投手は150キロ台が当たり前。「びっくりするほど体が大きくなったし、体力もついている。中学生のレベルが上がってるからだろうね」。決勝進出2校は特にレベルの高さを感じるという。

 星稜・奥川と履正社打線の勝負。「履正社の打線はNo・1。面白いゲームになるね」と言った木内氏は、出力を抑えても空振りを取れる奥川の直球に着目。「澄ました顔でシュッと投げても空振りさせんだから。高校生レベルじゃないよ」。でも、3回戦で智弁和歌山を下して涙した姿に「勝って泣くなんて、そこは高校生なんだね。感動した」とも言った。

 03年夏の決勝。常総学院はダルビッシュ(現カブス)擁する東北を倒して優勝した。「ああいうチームつくっても今は勝てなかっぺ。そんだけレベルが高くなったよ」。木内マジックも今は通用するか難しいという。その上で鍵を握るのは、試合を重ねるごとに調子を上げる履正社投手陣と星稜打線だと指摘した。

 令和初の決勝。新時代の戦いを、名将も楽しみに見守っている。 (秋村 誠人)

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2019年8月22日のニュース