ヤクルト・寺原、1軍復帰までの長い時間を支えた“ある思い”

[ 2019年7月7日 08:45 ]

<広・ヤ(13)>先発の寺原(撮影・奥 調)
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 ヤクルトの寺原隼人投手(35)が復活した。7月3日の広島戦で4月11日の広島戦以来となる今季2勝目を挙げた。前回登板では2回3失点という結果もさることながら、3盗塁を許しクイックモーションに課題を残した。

 2軍では徹底的にその「クイック」を磨きなおした。まずは小野寺、松岡両2軍投手コーチに投げるまでのタイムを計測してもらい、縮める作業をした。「クイックを速くするとコントロールがぶれたり、球威が落ちたり。思うようにいかなかった」と当初は順調にいかなかったが、投球動作を速めても制球が乱れないように、フォームも見直した。

 1軍復帰までに要した時間は約2カ月。プロ18年目のベテランにとって、あまりに長い時間だったが、支えたのは球団に恩を返したいという思い。「まだ1勝しかしていない。(昨オフにソフトバンクを戦力外となり)投げる機会を与えてもらったのに、こんな結果じゃ僕自身も納得できない」。基礎的で地道な作業をこなし、返り咲いた。

 広島戦後、出場選手登録を抹消されたため、次回の登板は球宴後となる。寺原は「勝ちがついたのは大きいこと。(クイックも)継続してやっていかないと」。最下位からの浮上を目指すヤクルト。後半戦でさらに勢いを増すために。ベテランの復活も追い風となる。(記者コラム・黒野 有仁)

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2019年7月7日のニュース