【兵庫】9人で臨んだ吉川 完全燃焼…主将でエースで4番の南、打球直撃も一塁で出場継続

[ 2019年7月7日 19:41 ]

第101回全国高校野球選手権 兵庫大会1回戦   吉川2―9鳴尾(8回コールド) ( 2019年7月7日    ベイコム尼崎 )

打球が直撃した右足ふくらはぎを治療するため、仲間に肩を借りてベンチへと戻る南
Photo By スポニチ

 控え選手のいない9人で大会に臨んだ「吉川(よかわ)ナイン」が完全燃焼で夏を終えた。主将でエースで4番。チームの大黒柱の南颯馬投手(3年)は「負けたことは悔しいけど2年生もあきらめずに、一緒に全力でやってくれた」と清々しい表情で振り返った。

 0―2で迎えた2回。予期せぬアクシデントに球場が静まり返った。1死から相手打者の打球が南の右ふくらはぎを直撃。倒れ込んだまま動けず、仲間に背負われて治療のためにベンチへと戻った。出場不可能となれば没収試合となり、最後まで戦うことなく敗戦となる。だが右腕は「当たったのが筋肉だったので、監督に“行けます”と言いました」と申告。約10分間の中断後、マウンドは一塁手の大垣崇内野手(2年)に譲ったが、足を引きずりながら一塁の守備位置に入った。

 強い気持ちで戦う選手達にドラマのような展開が訪れた。0―5の2回、先頭打者の南は打球を受けた右足への死球で出塁。それでも投手が暴投をしても二塁に進めない状態だった。その様子を見て、部員では南と2人だけの3年生の5番・熊谷都汰内野手は腹をくくった。「ゆっくり歩いて還してあげたい―」。迷いなくフルスイングした打球は左翼席へと高々と弧を描いた。仲間への思いが結実した高校1号本塁打。本塁で待ち受けた南は「ずっと一緒にやってきたから、アイツの努力は分かっています。だから凄く嬉しかった」と満面の笑顔だった。

 新チームから部員は7人。昨秋、今春の県大会は合同チームで参加した。それでも最後の夏は単独チームへの思いが強く、バスケットボール部、部活動以外で空手を学ぶ2人の助っ人を得て、単独での出場にこぎ着けた。西島良彦監督(28)は「3年生は僕がビックリするくらい頑張ってきた。単独チームで出られたことは良かったが、勝たせてやれなかったことは申し訳ない」と振り返る。単独チームとしては、2012年夏の兵庫大会以来となる白星は得られなかった。それでも得たものの大きさは計り知れない。南は「これからも野球は何らかの形で続けていきたい」とさわやかに話した。

続きを表示

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

2019年7月7日のニュース