明石市・泉房穂市長 子ども予算の増額は「国がやるべき」「思い切って方針転換してこそ政治家」

[ 2023年2月13日 18:16 ]

泉房穂・明石市長(21年6月撮影)
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 兵庫県・明石市の泉房穂市長(59)が、13日放送の文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜後1・00)にリモート出演。「子ども予算」に言及した。

 番組は、泉市長が初めて明石市長に立候補した2011年、どこの政党や業界の支援も受けずに出馬し、わずか69票差の接戦の末、初当選したことを紹介。支援を受けなかった理由について泉市長は「結局は大事なところなんですけど、どっちを見て政治するかが一番大事であって、業界を見て政治すれば、業界のための政治なります。政党を向いて政治をしたら、政党のための政治になります。私はそうでなくて普通の市民のための政治をしたかったので、普通の市民のための政治をするなら、普通の市民とともに選挙を勝つ必要があった。どこの政党も業界の支援も要らない。市民だけで十分という考えの持ち主だったので、なんとか勝てて良かった。市民と一緒に街を作ってきたと思っています」と胸を張った。

 泉市長は当選後に18歳までの医療費無料、第2子以降の保育料無料、中学校の給食費無料、公共施設の入場料無料、0歳児見守り訪問「おむつ定期便」の無料と子どもに関する“5つの無料化”を実現。その効果もあり、人口は10年連続で増加するなど「住みたい街」として明石市は人気を集めるようになった。

 これらについて、泉市長は「5つの無料化は序の口なんですよ」ときっぱり。「市長になる前の子どもの予算って明石市全体の予算が2000億ぐらいなんですけど、市長なる前年は決算ベースですけど125億円が子ども予算だった。最近の決算ベースだと297億円。子ども予算を2・3倍に増やしているんです」と説明し「170億円以上、子ども予算を増やしてるうちの34億円で5つの無料化なので、無料化だけでなく、もっとあれもこれもやっている」と5つの無料化が強調されているが、他にも子ども予算に割いていることがいっぱいあると主張。「だから明石市にどんどん人が移り住んでいる」と力説した。

 そして「異次元の少子化対策」を掲げた岸田政権に対し「簡単な話、気合いだけじゃなくて、ちゃんと子どもの予算を増やせばいいだけ。国がやるべきです本当は。すぐやれることなのに国がいつまでせんのかと思っている。“そんなんできますよ”って前から言ってる。国が遅いですね、本当に」と国の本気度を疑って語気を強め「あ…口が悪いですね。すいません」と謝った。

 泉市長は「住みやすい街を作ったら、人は住み続けるし、そういう街に皆が住みたくなるから、市民の方に政治が向いたら、そういう街が人気出るのは当たり前で、全国やればいいんですよ」と断言。「おかげさまで最近はどんどん明石の真似が広がっていって、明石市の周辺も18歳までの医療費完全無料化が13自治体に増えたんですよ」と紹介し「どんどん東京とか福岡市も飛び火してるので、“キャラ濃い変わり者”って言われたけど、変わり者は否定しないけど、明石市の政策はどこでもできることで、全然難しくない。やろうと思ったらすぐできる程度の話に過ぎない」と語り「それが最近どんどん広がってきてるので、トップがやる気になったらできるというのが最近、証明されつつあると思っています」と明石市の独自の取り組みが全国でも広がってきていることにうなずいた。

 子ども予算を増やすと、他の予算は当然、減ってしまうことから市議や職員との軋轢がなかったかについて尋ねられると「どっかの予算を他に回すから、予算を減らされたところは怒るに決まってるんで、誰にも怒られないようにするから方針転換できない。怒られてでもちゃんと説明して思い切って方針転換してこそ政治家ですから。ある意味、人に嫌われても街の未来のために子供達のためにやりきるのが政治家と思っている。嫌われてもかまわんと思ってやっている」と子ども、街の未来のため批判は覚悟していると言い切った。

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2023年2月13日のニュース