竹中功のナニワ新報

Vol.35「人生、何が起こるかホンマに分からんで!」

[ 2020年11月14日 05:30 ]

井上拓哉(左)と筆者
Photo By スポニチ

 わたくし、1981年に吉本興業に入社し、広報や制作、営業、劇場、東北などを担当し、約35年間お勤めしました。

 そして今から5年前に退社し、芸能界からは遠のき「謝罪マスター」を名乗りながら、本を書いたり、危機管理の講師をしたり、月に1回は刑務所の中でお努めしている人たちの社会復帰のため講義もしておりました。

 そんな中、5年振りに芸能界復帰となりました。突然といえば突然、それも6月に「吉本興業史」という本を角川新書から出版した1カ月後、株式会社ワタナベエンターテインメントのお世話になることになったのです。ただしお笑い芸人としてでもなければ文化人契約でもありません。

 「広報担当顧問」ということでアドバイザーとして勤めることになったのです。たまたま「広報・宣伝」という分野の拡充というタイミングでご縁をいただきました。事務所は東京の表参道。華やかな街であります。吉本興業で学んだ広報術があの芸能事務所の超大手、そして超老舗ナベプロで活用いただけるとは光栄に感じ得ましたので、喜んで参画させてもらいました。

 ただコロナ禍で、多くはリモートでやり取りしておりまして、残念なことに所属のお笑い芸人にもなかなか会えておりません。ワタナベには現在、ホンジャマカ、ネプチューン、ふかわりょう、ザブングル、アンガールズ、波田陽区、よしもとNSC出身のロッチ、にしおかさちこ、イモトアヤコ、ハライチ…。若手ではハナコ、四千頭身、Aマッソなどなかなかの全国ネットでの人気者を送り出しています。あばれる君に会ったら是非、挨拶代わりに頭をぐりぐりしてやろうと思っております。

 関西本部の広報プロモーションのお手伝いに事務所に行くことになったのですが、なんと事務所が環状線の玉造駅の近所にあるではありませんか!? 大阪市内生まれの私でさえ、ほとんど縁のなかった場所に事務所があることに少し喜びながら訪ねました。

 そして、そこで紹介してもらったのが今回のコラムで紹介する劇団Patch(パッチ)の俳優、井上拓哉くん。ワタナベに入社して初めて仲良くなった所属タレントの第1号はお笑い芸人ではなくイケメン俳優でした。兵庫県出身の25歳の彼はこの劇団の1期生として8年前に実施されたオーディションに合格し、日々、芝居の稽古に励んでおります。

 今までにもテレビでは大河ドラマや朝ドラに多数出演し、吉本興業の創業者、吉本せいがモデルになった「わろてんか」でも豆蔵役で出演していました。

 そして、11月30日放送開始のNHK連続テレビ小説「おちょやん」にも出演しており、芝居茶屋「福富」の一人息子・富川福助役を演じています。芝居茶屋の跡取り息子なのにそこの仕事に興味がなく、なぜかトランペットに夢中という青年役です。撮影現場で杉咲花さん演じる千代ちゃんやスタッフに「トランペット役の福助さん、おはようございます!」とイジられ、「いえ、福助役の井上拓哉や!」とツッコミ返してから1日が始まります。

 ただ実際は真剣に森などにこもってトランペットの稽古をしているそうなのですが、人気を感じると恥ずかしくなってトランペットを隠してスマホをいじっているふりをするシャイなイケメンであります。しかし稽古も本気モードになってきていて、今では1960―70年代に大活躍したトランペッター、ブルー・ミッチェルの名曲「I’ll close my eyes」をマスターしたいという思いも持っていると言います。

 何か失敗談の一つもないものかと聞き出しますと、一人飯が好きなもので、一人焼き肉に行った時、自分の方を見てコソコソ話している美女が2人。「おっ、もしかしてボクのことを知ってるのかな?」なんて思っていると、1人の美女が近寄ってきて「背中にご飯粒付いてますよ!」とひと言。「ファンかも?」と思ったものの儚い夢でありました。なんて話してくれました。

 そしてまた別で今、稽古も始まり、ヒートアップさせているのが12月に開催される舞台の準備です。それが関西テレビと劇団Patchが組んで公開される音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』という作品で、Patchの俳優12人に加え、谷村美月・入山法子の女優を迎えるもの。ストーリーは近未来を舞台にしたラブサスペンスとだけ伝えておきましょう。コロナ禍で、稽古や公演に関して色々な制限もある中、舞台芸術の可能性を思いっきり表現する思いが溢れたものに日々なってきております。

 実はこの劇団Patchという名前、「必死のパッチ」から名付けられたもので、その語源は諸説あるので、ここでは触れませんが、一生懸命の最上級、もう後がないぐらい頑張るという意味を含め持っているといえる劇団です。

 さてさて、お笑いから、歌手、俳優、文化人を抱えるワタナベエンターテインメントの一員として、今は“この男前”の広報担当者でもあります。この前も梅田で会った時「今一番欲しいものは?」と聞くと「色気」とひと言。25歳の彼には不足して当たり前。これから年輪を重ね成長していくのでしょう。

 私は私でヨシモトからワタナベ、5年振りに芸能界で人材育成を楽しませてもらっています。大阪発の役者の集団「劇団Patch」を覚えておいてやってください。60歳を超えた私もまだまだ必死のパッチで働く所存です!

劇団Patch公式ホームページ
https://www.west-patch.com/about/

音楽朗読劇『マインド・リマインド~I am…~』公式サイト
https://www.west-patch.com/event/8patch/

【公演日程】
大阪:2020年12月26日(土)、27日(日) サンケイホールブリーゼ
東京:2021年1月28日(木)~31日(日)紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
【料金】
大阪公演:S席6800円(全席指定/税込)
東京公演:6800円(全席指定/税込)
【主催・企画・製作】
関西テレビ放送 ワタナベエンターテインメント
【お問合せ】
大阪公演:ブリーゼセンター(電)06(6341)8888(当面の間11:00~15:00)
東京公演:キノカウンター(電)03(3354)0141(10:00~18:30)

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