アニメ研究部 高田憂希

「何にでもなれる」…温泉むすめ・高田憂希が変身したいものとは

[ 2018年2月11日 10:00 ]

インタビューに応じた高田憂希
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 「温泉むすめ」のメーンユニット「SPRiNGS」で草津結衣奈役を担当する高田憂希さんのインタビュー後編です。ユニットとしての活動の軸になっている歌へのスタンス、さらには目指すべき声優像について、熱い思いを吐露してくれました。(西向 智明)

 昨年8月に初ライブを行い、12月に2回目のステージを披露したSPRiNGS。今年5月にはサードライブを予定している。ファンの前で歌うことについて、高田は「すごく好きです。“私、もしかしたら得意かもしれない”と、自信を持てる場所になっています」と胸を張った。

 人前かそうでないかを問わず、「もともと歌うことは好きだった」という。周囲からも「本当に楽しそうに歌う」と言われることが多く、先輩声優からは「ソロ活動はしたいの?」と聞かれることもあるとか。「“自分の歌かあ”と憧れる気持ちはあります」と、まんざらでもなさそうな表情を浮かべた。

 ただ、“高田憂希”として1人で歌う自分を「まだちゃんとイメージはできない」とも続けた。「すごく緊張しやすいので、“ソロでちゃんと出来るか”とか考えちゃいますね。“高田1人で頑張るので支えてください”と堂々と宣言できるほど、まだ自分に自信がないんです」。

 そう言いつつも、ソロ活動について考えることはよくあるようで、「スケジュール面でもアニメから遠ざかることになるかもしれないですし、私1人のために大勢のスタッフさんに動いてもらうことにもなりますよね…」。次から次へと言葉が出てくることに驚いて指摘すると、「話してるうちに“これだけ考えてるってことは、私やりたいんだな”と思えてきました」。ソロへの思いはどうにも抑えられないようだ。

 声優を目指したきっかけは、幼少期に見た「美少女戦士セーラームーン」だった。「小学校3、4年くらいまでは(セーラームーンが)実際にいると思ってたんです(笑い)」。衣装やおもちゃでなりきって遊んでいたといい、「そこから私の変身願望が始まりました。声優の魅力は見た目に関係なく何にでもなれるということだと思っているので、自分にぴったりだったと思います」。

 変身願望は今でも活動の根底にあるという。「自分自身には自信はないけれど、キャラの力を借りれば人前にも立てるし、作品にも出られます。“こういう人になりたい”とか、自分の憧れが役作りにも反映されている部分はあります」。

 最も変身したいキャラクター像とは何か。「私にとってのセーラームーンのような、今の小さい子供たちが憧れる存在になりたい。ヒーローだったり、アイドルだったり、私が演じたキャラクターを見て“こんな風になりたい”と思ってもらいたいです」と目を輝かせた。

 作品に関しては「自分の出演作が国民的アニメ、誰もが知っているような作品になることが夢です」と力強く語った。「もうすでに誰もが知っているような有名作品に出ることも目標の一つですが、“あの作品のあのキャラを演じていた高田憂希”と言えば、アニメファン以外の方にも伝わるような作品に巡り会えればいいなと思います」。

 トークイベントなどでは元気いっぱいにしゃべる姿が印象的で、勝手に猪突(ちょとつ)猛進なキャラクターだと想像していたが、実際は「行動より先に頭で考えるタイプ」という。「イベントの時は“こうありたい”と思う自分に寄せるようにしています」。

 普段の自分と人前での自分…二面性を持たせられるのも変身願望によるものだろう。出演作が増えて変身の幅が広がるごとに、ステップアップしていく。温泉むすめともども、2018年は期待の膨らむ1年になりそうだ。

 ▼温泉むすめ 全国の温泉地をキャラクター化し、漫画、ゲームなどを展開していくクロスメディア・プロジェクト。キャラクターは各温泉地に宿る人の姿をした神様で、82人(2月11日現在)が発表されている。SPRiNGS以外に4組のユニットが活動している。2017年4月から出演キャストによるイベントを毎月行っており、アニメイトタイムズのWEBラジオ「みみぽか」も更新中。

 ◇高田 憂希(たかだ・ゆうき) 3月16日生まれ、福岡県北九州市出身。2014年にテレビアニメ「ブレイドアンドソウル」でデビュー。主な出演作に「NEW GAME!」(涼風青葉役)、「三ツ星カラーズ」(結衣役)など。17年11月に北九州市観光大使に任命された。趣味は歌うこと、靴下集め。

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