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LAタイムズ紙ヘルナンデス記者 エンゼルス・大谷が米国人のアジア系への認識変える

[ 2022年4月17日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス9―6レンジャーズ ( 2022年4月15日    アーリントン )

<レンジャーズ・エンゼルス>「ジャッキー・ロビンソン・デー」に背番号42をつけて出場した大谷は5回、この日2本目となる2号・2ランを放つ(撮影・光山 貴大)
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 多国籍の選手で構成される大リーグ。今季は初めてメジャー傘下のマイナーリーグでの女性監督や、初のメジャー球団での女性ベースコーチも誕生した。大谷は多様性の象徴的存在。中南米と日本にルーツを持つロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス記者(41)が、「ジャッキー・ロビンソン・デー」に活躍した大谷の存在の意義について分析した。

 米国は多様性を重視する。異国から来た、異なるアイデアを持った人たちが集まることで社会がより良くなるという考えだ。ジャッキー・ロビンソンは、そうなる過程で大きな役割を果たした。

 かつて大リーグでアフリカ系米国人が排除されたのは「野球は良い選手でも7割失敗するスポーツで、知的で冷静で忍耐強くないとプレーできないから無理」との偏見から。ロビンソンは差別に耐えて反抗せず、冷静に素晴らしい活躍を果たした。彼の成功が米国社会の認識を変えた。大谷はアジア系に対する「数学はできるが運動は駄目、器用だが体力では劣る」という固定観念を変えつつある。

 米国の田舎の方だと真珠湾攻撃や、日本車を米国で大量に売って米国人の職を奪った卑劣な人々というイメージもある。だから、アジア系はスポーツ界だけでなく、映画や音楽業界でもスーパースターがいなかった。

 大谷は体が大きいしパワーも桁外れ。容姿も格好が良く好感度も高い。随所で見せる礼儀正しさや笑顔、ユーモアのセンスも話題になる。大谷が11日にバットに心臓マッサージと人工呼吸を施した動画は、ツイッターで拡散された。米国社会では笑顔が良いと罪の半分は許される。野球界で米国で一番有名なのは大谷かもしれない。

 米国では今、BTS(韓国の人気グループ)の人気も凄い。NFLの巨大なスタジアムで、2日続けてコンサートのチケットが売り切れるほど。大谷やBTSの人気が米国で高まる背景には、既存メディアが大きく報じないことも一気に拡散されるSNSの存在もあるかもしれない。大谷によって米国人のアジア系に対する認識は変わる。今の子供たちが大人になる20年後は、従来の見方は消えているのではないだろうか。

 ▽ジャッキー・ロビンソン・デー 1947年4月15日にブルックリン・ドジャースでデビューした黒人初の大リーガー、ジャッキー・ロビンソンにちなみ、04年に制定。当初は希望者のみがロビンソンの背番号「42」(97年から全球団の永久欠番)をつけたが、09年以降は全選手、首脳陣、審判がつけて試合に臨んでいる。今年はロビンソンのデビュー75年を記念し、全チームの「42」を「ドジャーブルー」とした特別仕様だった。

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