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阪神・ウィルカーソン 新助っ人初の甲子園巨人戦で初登板初勝利 自慢の制球力で相手打線“凍り付かせた”

[ 2022年4月17日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-1巨人 ( 2022年4月16日    甲子園 )

<神・巨> リリーフカーに乗って場内を一周するウィルカーソン(撮影・大森 寛明)
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 阪神は16日の巨人戦に2―1で競り勝ち、今季初となる2連勝を飾った。先発した新助っ人のアーロン・ウィルカーソン投手(32)が6回3安打1失点の好投で、球団新助っ人では史上初の「甲子園での巨人戦で来日初登板初先発初勝利」を挙げた。歴史的な出遅れをしたチームは、首位で甲子園に乗り込んできた宿敵を相手に、開幕7カード目で初の勝ち越しを決めた。さあ、反攻はこれからだ!

 風にたなびく長髪、顔を覆うほどに豊かなヒゲ…そんないかつい見た目とは対照的に、投球は丁寧だった。今季12球団初で、19年9月30日の中日戦以来929日ぶりに4万人を超える大観衆が詰めかけた甲子園のマウンドでも、ウィルカーソンは淡々と腕を振った。

 「初回は少し硬くなってしまったけど、自分ができる事をしようという気持ちで、何とか修正しながら、先発としての仕事をすることができてよかった」

 制球力が光った。初回こそ1死一、二塁のピンチを迎えたが、4番の岡本和を左飛、続く丸を右飛に仕留めて波に乗った。直球は最速146キロながら、同じ腕の振りから繰り出す130キロ台のチェンジアップとスライダーを効果的に駆使。120キロ台のカーブもアクセントとして散りばめた。ゾーンを最大限に活用する頭脳的投球を展開し、6回1失点。「チェンジアップはすごく有効な球種だなと思います。特にゲーム後半はそれで芯を外していく意図で使った」と、うなずいた。

 「そこを乗り越えたから今がある」

 大学時代には食品会社の冷凍食品部門で夜間労働に従事したこともある苦労人。その当時、相手打者を凍り付かせる剛球も披露していたことから「フリーザー」と呼ばれた剛腕も、今年で33歳。年を追うごとに投球スタイルをシフトチェンジした。そうして確立したのが、直球と変化球でコースを突き、打たせて取るスタイル。異国の地でも「自分の投球」を貫くべく、梅野のサインに何度か首を横に振ってまで自ら配球を組み立てた。そして結果をつかみ取った。

 「試合に集中するために、なるべく家族の方は見ないようにしているんですけど、たまに家族の方を見ると幸せだなって思います」

 愛する家族の前で初陣を飾った。ハンナ夫人、長女・エヴァちゃん、長男・ボウディ君が見守る中、大黒柱の存在感を誇示。球団の新助っ人が甲子園の巨人戦で来日初登板初先発初勝利は史上初の快挙となった。初のお立ち台では「アイアム アーロン・ウィルカーソン タイガースファン アイシテル!」と、新たな“家族”となった虎党に日本語をまじえて自己紹介。万雷の拍手に包まれ、迎え入れられた。(石崎 祥平)

 【アーロン・ウィルカーソンはこんな選手】
 ☆生まれ&サイズ 1989年5月24日生まれ、米テキサス州出身の32歳。1メートル91、95キロ。
 ☆球歴 独立リーグをへて14年にレッドソックスとマイナー契約。17年にブルワーズでメジャーデビュー。メジャー通算14試合1勝1敗、防御率6・68。21年はドジャース3Aでプレー。
 ☆当たれば… メジャー通算9打数1安打で唯一の安打が本塁打。
 ☆苦労人 大学時代に右肘じん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受ける。在学中には食品会社の冷凍部門で夜間労働しながらプレー。
 ☆愛称 独立リーグ時代、相手打者を凍り付かせる投球を披露していたことから「フリーザー」。
 ☆家族 ハンナ夫人、長女エヴァちゃん(4)、長男ボウディ君(3)とともに来日。二男ミア君(1)は、育児の負担軽減のため、米国の親族の元で暮らす。

 【データ】来日初登板のウィルカーソンが勝利。阪神外国人投手の初登板勝利は昨年5月16日、巨人戦のアルカンタラに続く10人目で、4人目のG倒デビュー。甲子園の巨人戦で決めたのは、球団史上初となった。また、対戦したシューメーカー(巨)も来日2試合目で初の阪神戦。阪神、巨人両軍の外国人先発投手がカード初登板は、00年4月12日のラミレズ(神)対メイ(巨)以来22年ぶりだが、メイは阪神在籍の98、99年に巨人戦の登板経験がある。来日1年目同士では今回が初めて。

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