履正社 夏21年ぶり桐蔭に勝った!コールド寸前まで追い込み連敗11でストップ 関本主将「安心」

[ 2020年8月11日 05:30 ]

大阪大会準決勝   履正社9-3大阪桐蔭 ( 2020年8月10日    シティ信金 )

<履正社・大阪桐蔭>宿敵・大阪桐蔭を破り、歓喜の履正社ナイン(左は関本)(撮影・井垣 忠夫)
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 都道府県高野連による代替大会は10日に9大会44試合が開催され、準決勝で打ち切りの大阪では昨夏の甲子園大会を制した履正社が宿敵の大阪桐蔭に快勝した。夏の大会では21年ぶりの勝利。最高の形で15日に控える星稜(石川)との甲子園交流試合へ弾みをつけた。他では愛知、岡山などで決勝があった。

 マウンドで歓喜の輪を作ることも、派手なアクションもない。試合を終えると、ソーシャルディスタンスを取りながらベンチ前に整列。履正社ナインは控えめに最上級の喜びを味わった。宿敵に対し、夏の大会の連敗を11で止める21年ぶり勝利で大阪の頂点に立った。関本勇輔主将(3年)は「ずっと目標にしてきた相手。打倒大阪桐蔭でやってきたのでうれしいし、安心した」と笑顔だった。

 2回に先制された直後、中原雄也内野手(3年)の3点二塁打など4点を挙げて逆転。その後も着実に得点を重ね、甲子園大会で春夏計8度の優勝を誇る全国屈指の強豪校を振り切った。今秋ドラフト候補の小深田大地内野手(3年)は4安打1打点で勝利に貢献。「チーム全員で大阪桐蔭に勝つ気持ちでやってきた、一番、しんどい試合でした」と穏やかな表情で振り返った。

 勝利に限りなく近づいた夏がある。18年の北大阪大会準決勝。4―3とリードした9回2死無走者から逆転負けを喫した。当時、1年生の小深田は「5番・三塁」で出場。「勝つことの難しさを学んだ試合」と位置付ける。朝には昨夏の日本一メンバーで阪神からドラフト2位指名された井上広大からLINEが届いた。

 「チームのためにやるんだぞ」

 初の全国制覇を果たした昨夏も大阪桐蔭を倒しての甲子園出場ではなかった。先輩の言葉を肝に銘じ、高校野球でやり残したことを完結した。

 昨秋大阪大会決勝で敗れ、チームとして「打倒」の思いはより、強くなった。岡田龍生監督(59)は「子供らが桐蔭に勝つということで秋から一生懸命にやってきた。僕は何もしていない。子供らの力ですね」と優しいまなざしを向けた。履正社ナインが満面の笑みで高校生活最後の大阪大会を終えた。(桜井 克也)

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