東海大菅生が東京最強!史上初の東西頂上決戦、帝京に逆転サヨナラ「歴史に残れてうれしい」

[ 2020年8月11日 05:30 ]

東京高校東西対抗戦   東海大菅生3―2帝京 ( 2020年8月10日    ダイワ八王子 )

<東海大菅生・帝京>サヨナラ打を放った臼井(2)を大喜びで出迎える東海大菅生ナイン(撮影・村上 大輔)
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 特別な頂上決戦を制した。10日、東西東京の代替大会の優勝校による東京高校東西対抗戦が行われ、西東京覇者の東海大菅生が帝京に3―2で9回逆転サヨナラ勝ちした。8回までわずか1安打で無得点に抑えられながら、土壇場でひっくり返した。甲子園交流試 合が開幕した日に実現した史上初の東京No・1決定戦も、劇的な幕切れだった。

 勝利の女神は、東海大菅生ナインにほほ笑んだ。0―2で迎えた9回に安打と四球で無死一、二塁とし、森下春貴(3年)の左中間フェンス直撃の三塁打で同点。後続2人の申告敬遠で無死満塁となり、臼井直生(なお、3年)の高く上がった打球が中堅手前にポトリと落ちた。三塁ベンチは空っぽだ。

 「すいません。涙が止まりません」。玉置真虎主将(3年)が声を詰まらせた。「他の年にはない大会で勝ち、歴史に残れてうれしい。東京で一番長い夏を過ごせたことに感謝します」。森下も同様に顔を紅潮させた。

 モチベーションはMAXに達していた。過去夏の甲子園で、東西対決は3度実現したが西東京勢は全敗。「西はずっと勝てていない。監督からも“今日勝たないと(優勝の)意味はない”と言われてました」。森下の言葉に、若林弘泰監督も「君たちがやってきたことは間違いなかった」とうなずいた。

 試合会場から約380キロ離れた甲子園で、センバツ出場予定校による交流試合が開幕。20年夏の東京最強チームも聖地には届かない。「甲子園には行きたかった」。森下は本音を漏らしつつ「運が悪いと思ってない。(交流試合の)テレビは見るだろうけど大丈夫と思います」。境遇を嘆くことなく、現実を受け入れた。

 実力主義を掲げる若林監督の方針で、この日のスタメンは5人の下級生を起用。近日中に実施される引退試合で、3年生部員29人の高校野球が終わる。甲子園という目標が奪われた夏。それでも、東海大菅生が東西243校の頂点に輝いたことには大きな意味がある。(伊藤 幸男)

 《過去3度の雪辱》○…夏の東京大会が東西分離されたのは74年の第56回大会から。46度の夏の甲子園で、東京対決が実現したのは別表の3度。いずれも東東京勢が勝利した。春のセンバツでの東京勢2校出場は42度あるが、東京対決は72年決勝の日大桜丘―日大三の1度だけで、日大桜丘が5―0で初出場初優勝を果たした。

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