エンゼルス・大谷 両膝伸ばす「直立打法」で今季初マルチ 初回に12打席ぶりヒット

[ 2020年8月11日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス3―7レンジャース ( 2020年8月9日    アーリントン )

<レンジャース・エンゼルス>6回、左翼線に安打を放ち、快足で二塁打にした大谷(AP)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(26)が9日(日本時間10日)、レンジャーズ戦に「4番・DH」で先発出場し、外角のボール球を捉え、逆方向の左翼線に運ぶ技ありの二塁打を放った。初回にも3試合、12打席ぶりとなる中前打を放ち、今季初のマルチ安打を記録。チームは3連敗を喫したが、復調の兆しを見せた。

 外角高めの94マイル(約151キロ)直球。見逃せばボールだったが、大谷は打てると判断した。6回先頭でカウント1―2。瞬時に両膝を伸ばし、直立した体勢から両腕を目いっぱい伸ばした。捕手のミットに届く直前で捉えて逆方向の左翼線に運び、快足を飛ばして一気に二塁打にした。

 「結果的に(踏み込む)足が着いたときにどういうふうにボールを待っていられるかが大事。タイミングさえ合えば」。大谷は以前、そう話したことがある。追い込まれて際どい球にも手を出さなければならない状況。膝を曲げ、腰を落とせば力は入るが、外角のボール球にバットは届かない。軽打の「直立打法」で活路を見いだした。初回にも追い込まれてから打球速度108マイル(約174キロ)の中前打を放ち、今季初のマルチ安打とした。

 大谷は前日、試合前のフリー打撃に不参加。この日はチームとして試合前の打撃練習を行わず、ジョー・マドン監督は「打てていないから力が入りすぎると逆に良くない。体がこわばってしまう。今は練習をあまりしない方がいい」と説明した。敵地のレンジャーズの新本拠グローブライフ・フィールドは最も深い中堅で410フィート(約125メートル)と広く、投手有利な球場。強振せず、コンパクトに。そんな指揮官の思いに結果で応えた形だ。

 3連敗で地区最下位だが、マドン監督は「まだ力を出し切っていない。自信はある」という。中軸に座る大谷への期待は大きい。(奥田 秀樹通信員)

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2020年8月11日のニュース