早大・早川 155キロ初完封!スカウト御前で自己最速3キロ更新「体づくりを徹底した」

[ 2020年8月11日 05:30 ]

東京六大学野球春季リーグ第1日   早大5―1明大 ( 2020年8月10日    神宮 )

<早大・明大>1失点完投の早大・早川(撮影・沢田 明徳)
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 東京六大学野球の春季リーグ戦が約4カ月遅れで開幕した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、74年ぶりに1回戦総当たりで実施。1試合の観客が3000人に制限される中、2試合に延べ5200人が詰めかけた。今秋ドラフト上位候補の早大・早川隆久投手(4年)は明大戦で9回1失点、12奪三振で自身初の完投勝利。慶大は東大に9回逆転サヨナラ勝ちした。

 若き体の中にためにためたエネルギーを、早川は一気に解き放った。初回2死。3番・丸山から空振りを奪った2球目だ。自己最速を3キロ更新する155キロを計測。大型ビジョンに表示された驚きの数字に、2400人のファンがどよめいた。

 「スピードは意識しなかった。前半はボールが浮いていて、力みが出た分、球速が出たんだと思う」。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間。西東京市内の寮生活で、限られた練習環境の中で何ができるか。早川は「4月はランニングの量を増やして、体づくりを徹底した」と基礎固めに没頭した。

 グラウンド横を流れる石神井川。エース兼主将はタイヤ付きの測定器を使ってランニングの距離を自ら測り、遊歩道を飽きることなく走り続けた。「ボールを触らない期間をつくった。それが生きているのかな」。成果は球速だけではない。6回1死で右足すねに強烈な打球を受けながら、最後は自ら小宮山悟監督に志願して123球を投げ抜き初の完投勝利。6安打1失点で12三振を奪った。

 「こういう環境で野球ができることに感謝をしながら、一戦必勝で六大学の素晴らしさを見せよう、と試合をした」。今秋ドラフトの上位指名候補。視察した中日・松永幸男編成部長は「練習を満足にできていないだろうし、まだまだ伸びる素材」と評した。無限大の伸びしろ。それこそが若者の最大の武器だ。(鈴木 勝巳)

 ◆早川 隆久(はやかわ・たかひさ)1998年(平10)7月6日生まれ、千葉県出身の22歳。木更津総合では1年秋から投手。甲子園には2年春、3年春夏に出場し、3年時はいずれも8強進出。今井(現西武)、寺島(現ヤクルト)らとともにU18高校日本代表に選出された。早大では1年春から登板し、通算8勝12敗。1メートル79、72キロ。左投げ左打ち。

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