阪神・矢野監督 “投手に決勝打”岩貞の失投を叱責「チームの士気が上がらんよな」

[ 2020年8月11日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神4―6DeNA ( 2020年8月10日    横浜 )

<D・神> 4回に勝ち越しを許し、厳しい表情でベンチに戻る岩貞(撮影・大森 寛明)
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 阪神は10日、DeNA戦に競り負けて3カード連続で初戦を落とした。先発した岩貞祐太投手(28)が同点の4回に投手の国吉に決勝打を献上して4回3失点で降板。矢野燿大監督(51)が珍しく叱責(しっせき)する不覚だった。4日に始まった9連戦は2勝5敗となり、負け越しが決定。再び借金3を抱え、厳しい夏の旅が続く。

 ダメージが残る敗戦だった。満を持して中7日で送り出した岩貞が6安打3失点を喫して今季の自己最短に並ぶ4回で降板。矢野監督は、静かに、それでも珍しく厳しい口調で姿勢を責めた。

 「痛いというか。あの点の取られ方って、チームの士気が上がらんよな。打撃練習なんかほとんどしてない選手でしょ。それを初球、コンと打たれるんだから…。ちょっとチームに申し訳ないよね」

 1―1の4回に四球と安打で1死一、二塁を招き、ブルペンデーで直前4回から登板していた国吉を迎えた。その初球だ。外角よりに構えた梅野のミットを外れ、浮いた直球が内角より高めへ。右中間への二塁打で2点を勝ち越された。国吉にとって実に7年ぶり安打と打点を献上し、痛恨の決勝点になった。

 「あまりにも残念というか。工夫であったり、自覚というのかな。若手というレベルじゃない。結果2点差だから、あの2点ということ。そのへんの自覚っていうか…」

 投手、しかも、リリーフ投手のため2月のキャンプを最後に打撃練習をしていなかったという。記録に残らない“ミス”と言っていい。投手にバントをさせない作戦も目立つラミレス野球。一方で2回1死一、三塁では先発の武藤に犠打を命じていた。問題の4回も送りと強攻の両方が考えられ、DeNAベンチの動きや打席内でのしぐさなど様子見で慎重な入り方が求められる場面。不用意にも映る失投が勝敗を左右した。

 「3連戦の頭で、9連戦の途中で中7日か、あいつ。みんな(広島から)移動して来ているとかさ、そういうのも含めて何か体からにじみ出るというかさ。そういうのがチームとしてほしいと思う。チームのことも含めて投げてもらわないと」
 今季8度の登板で1試合平均5・13イニングにとどまり、先発としての働きを見せていない。「自分のミスで負けてしまいチームに申し訳ないです」。猛省する左腕に対して指揮官は「ちょっと考える」と再調整の可能性も示唆した。
(山本 浩之)

 【矢野監督の就任後の“怒”】

 ▽19年6月15日 オリックス戦で一塁走者の大山が福留の二遊間への打球で二塁へ滑り込まず、一度はセーフのジャッジもオリックス側のリクエストで判定が覆りアウト。「(大山)悠輔のプレーが残念だな。チームの士気も上がらんし、ファンにも失礼。野球を見ている子どもたちに対しても何のプラスにもならない」

 ▽同9月6日 広島戦で高橋遥が一塁ベースカバーを怠ってピンチを広げ、連打を浴びて降板。ベンチに戻ると矢野監督や福原投手コーチから厳しい口調で指導を受け、涙を流した。「ベースカバーにいかないとか、それはチームとしてもう…(ダメ)。凡打でも“一生懸命走ろうぜって”と春からずっとやってきて、やり切ってんのに」

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