コロナ禍で生き抜く形探るスポーツ界 心に響いた「聖地」での2主将による選手宣誓 

[ 2020年8月11日 12:25 ]

<高校野球交流試合開会式>開会式で選手宣誓を行う花咲徳栄・井上主将(左)と大分商・川瀬主将(撮影・北條 貴史)
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 8月10日。2つの聖地で学生野球が行われた。甲子園での高校野球交流試合、神宮の東京六大学野球リーグ戦だ。

 勝っても次戦がない甲子園と、勝ち点制ではなく74年ぶりの1回戦総当たり制の東京六大学リーグ。無観客から観衆が少し増えたプロ野球の光景には少し慣れてきていたところ。だが、2つのアマチュア野球の例年とは違う光景に、改めて新型コロナウイルス感染拡大収束までの道のりが遠いことを実感した。そして、これだけ感染が再拡大する中で、それぞれの関係者が集団感染などを出さないために、細心の注意を払って努力を重ねたことには敬意を表したいと思う。

 「特別な甲子園」は、全てのチームにとって勝っても負けても甲子園での最後の試合。3年生を優先する参加校もある。勝利至上主義や、教育の一環とか、様々な信念、主義の下で行われるトーナメントではなく1試合限定。例年とは違った意味で、野球への強い思いが伝わってくるような気がした。

 球児たちにとって大事なのはようやく開催が叶った目の前の試合。だが我々、大人は先のことも考えねばならない。高校野球は夏が終われば来春へつながる秋が始まる。現状は通常開催は困難な状況と言える。一時、感染者が減少してきた5月末から6月にかけて「秋にはかなり収束するだろう」というムードが世の中には漂っていた。だが、世の中が動き出すと状況は悪化の一途。様々なスポーツ界が再開を決めた時期よりも、事態は悪くなっている。

 野球をはじめ、スポーツは「状況判断」する力が重要な要素。スポーツ界は社会の状況と歩調を合わせながら、コロナ禍での新様式で生き抜く形を探ってきた。10日の甲子園、史上初の2校の主将による選手宣誓。「一人ひとりの努力が皆を救い、地域を救い、新しい日本を創ります。創造・挑戦・感動」「交流試合の開催や、日々懸命に命、生活を支えてくださっている皆様への感謝の気持ちを持ち、被災された方々をはじめ、多くの皆様に、明日への勇気と活力を与えられるよう、選ばれたチームとしての責任を胸に、最後まで戦い抜くことを、ここに誓います」。ある人物が長崎と広島の式典で使い回した原稿よりも数段、響く言葉だった。(記者コラム・春川 英樹)

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