橋下徹氏「最高裁を頂点としてきちっとルールを作って」重大少年事件の記録廃棄をめぐり言及

[ 2022年10月21日 17:03 ]

元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏
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 元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏(53)が21日、読売テレビ「朝生ワイドす・またん!」(月~金曜、前5・08)に出演。神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件など複数の著名少年事件で、各地の家裁が保管していた少年審判の処分決定書や捜査書類などの事件記録を廃棄していたことに言及した。

 最高裁の内規では、一般的な少年事件の捜査書類や審判記録は少年が26歳になるまでの保存を規定している。だが、史料的価値の高い記録は期間満了後も保存しなければならず、26歳以降も事実上永久保存する「特別保存」を定めている。

 連続児童殺傷事件で逮捕された当時14歳の少年の記録を廃棄した神戸家裁は「現在の特別保存の運用からすると、当時の記録保存の運用は適切ではなかった」とする一方、調査には否定的な姿勢を示している。

 橋下氏は「完全なミスでしょ。僕は2つ問題点を意識していまして、1つは裁判所の対応。これはちょっとふざけ過ぎですよ」と神戸家裁の対応に疑問を投げかけた。

 「各裁判は司法権の独立があるから、最高裁判所の指揮管理下に入らないんですよ」と前置きした上で「だけど、これは司法行政といって、記録の保存は個別の裁判と違うから、最高裁を頂点に1つの裁判所組織としてしっかりとルールを守っていかないといけない」とした。

 だからこそ今回の神戸家裁の対応を「ルール違反なのにね。民間企業だと、調査しないとかえらい目にあいますよ。裁判所の体質がおかしすぎる」と厳しく批判した。そして「こういうことをただすために、まさに僕は最高裁の裁判官を国民投票できちんと審査したりとか、内閣が最高裁の裁判官を選ぶってここで発揮しないと」と指摘。「こんなふざけた対応ね、裁判所に認めさせたらダメ。調査しないなんて」と続け、きちんと記録を破棄した経緯を調べるべきと訴えた。

 また、「もう1つ言いたいのが、少年事件についてはね、僕は残すことがどうなのかって正直あります」ともう1つの問題点を指摘。自身も少年事件を担当した経験から「ご遺族の方は絶対忘れたくない事件、その通りなんですけど」と遺族感情に配慮した上で「全部、事件が終わった時には忘れられる権利、少年にとっては社会更生するためには全部無しにしてもらいたいと思うようなものだから、僕は記録を全部残すってのはちょっと疑問がある」とした。

 代替案として「その代わり、きちっと記録を加工しながらプライバシーに配慮した形で1つの歴史的事実として残すことには賛成」と提案。「記録自体をそのまま保存することにはどうなのかという思いもあって、その辺りがもしかしたりすると、家庭裁判所の方で判断に影響したのかも分からない」と各裁判所で判断が分かれる所以になるのではとした。

 だからこそ「最高裁を頂点としてきちっとルールを作って監督をするってことを裁判所がやらないといけない」ときっぱり。「裁判所は司法権の独立を勘違いしている。裁判に関しては司法権の独立」として上で記録の保存は「行政と同じ」とし、最高裁が指揮を執って少年事件の記録保存についてきちんとルール整備をするべきではとした。

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2022年10月21日のニュース