藤井竜王 広瀬八段との第2局封じ手は56手目 広瀬が昨年度升田賞「△3三金型早繰り銀」改良版を投入

[ 2022年10月21日 18:51 ]

藤井聡太竜王(中)が見守る中、立会人の谷川浩司17世名人(左)に封じ手を手渡す広瀬章人八段(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太竜王(20)=王将、王位、叡王、棋聖含めて5冠=が挑戦者に広瀬章人八段(35)を迎える第35期竜王戦7番勝負第2局は21日、京都・仁和寺で1日目が始まり午後6時、広瀬が56手目を封じて指し掛けになった。封じ手の局面は広瀬が突き出した飛先の歩に構わず、藤井が銀を進めて広瀬王に迫った。2日目を残して盤上はすでに緊迫感に満ちている。

 午前9時、藤井の先手で始まり飛先の歩を突き合った後の5手目、藤井が角道を開け、角換わりを明示した。そして10手目、広瀬が用意の作戦へと踏み出す。

 角を一つ上がって藤井角に獲らせた。新手や新構想などに贈られる升田幸三賞。その昨年度の受賞手順が「△3三金型早繰り銀」だった。その右銀は7筋から進出したが、広瀬の右銀は6筋から上がり腰掛け銀に構えた。まだ採用例の少ない新戦法にさらに改良を加え、勝率上は若干不利な後手番での勝利へ意欲的な指し回しを見せた。

 対局場検分と前夜祭があった20日、広瀬は自身のブログに「歴史ある場所ということで、その舞台にふさわしい将棋が指せるように頑張りたい」と書き込んだ。両者の対局は今回の7番勝負が今年初めて。昨年は3局指し、藤井の全勝だった。いずれも藤井の先手で戦型は相掛かり。うち2局は67手と75手という短手数の完敗だった。広瀬にとっていかにテニスでいうブレイク、後手番勝利をつかむかが課題であり、その成否をかけた戦型選択だった。

 2日制8時間のうち藤井が4時間33分、広瀬が2時間53分消費した。22日午前9時から再開される。

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