東京五輪での輝きを予感させる今シーズン初勝利 今季3戦目の巨人・菅野

[ 2021年4月21日 16:53 ]

4月16日のDeNA戦で完封勝利を挙げた菅野はスタンドのファンに手を振る (撮影・森沢裕)
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 あの日、あの場所での完封勝利は、いつも以上に尊い価値があるものだった。4月16日のDeNA戦。巨人・菅野が演じた快投劇に安堵(あんど)した野球ファンは多かったのではないだろうか。

 菅野にとっては、今季3度目の先発マウンドだった。6安打完封で彩った今季初勝利。7―0と点差が7もあった。「点差が開けば開くほど完封は難しい。でも、良かった。きょうはいい感じに投げられました」と右腕。守備陣形の観点からすれば、点差が広がれば広がるほど得点圏に走者を背負った際は「1点はOK」という考えになり、完封することは非常に難しくなる。

 球場は横浜スタジアム。開幕まで残り100日を切った東京五輪の決勝トーナメントの舞台だ。菅野は3年目の15年から7年連続の完封勝利となったが、同球場ではこの日が初めて。「ハマスタで完封するのは初めてなのでうれしいです」。夏の世界大会を目前に、本番の球場で、点差が開いた難解な状況下で完遂。強烈なデモンストレーションとなった。

 約一週間前、日本球界には悲しいニュースが届いていた。菅野、楽天・田中とともに東京五輪の投手3本柱として期待されていたソフトバンク・千賀が6日の日本ハム戦で左足首を負傷。精密検査の結果「靱帯(じんたい)の損傷」と診断され、全治2、3カ月を要する見込みとなった。五輪出場に強い意欲を示していた千賀の心中は察するに余り有る。

 菅野の投球は日本の金メダル獲得を願う野球ファン、そして保存療法でリハビリに取り組みながら出場を目指す千賀にとっても励みとなったはずだ。菅野と千賀の親交は深く、オフには一緒にトレーニングをしたこともある。16日のDeNA戦では、菅野は千賀の代名詞でもあるフォークを約20球とこれまでの試合よりも多く投げ込んだ。4奪三振のうち3つは決め球にもなった。「縦の変化を勝負どころで使いました。フォークがすごく良かったです」。過去2試合とは異なる投球術。バッテリーで相手打線を幻惑させた。

 日本ハム・金子に並ぶ現役最多タイの21度目の完封勝利。「SUGANO」が国際舞台で光輝くことを確信する夜となった。(13~16年、菅野投手担当・川手 達矢)

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