23歳で単身渡米の日本人審判 マイナーでアーロンジャッジ、加藤豪将とも遭遇 「日本人の強み」とは
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夢のメジャーリーグまで、あと一歩だった――。23年シーズン限りで米国メジャーリーグ傘下の3A審判員を退職し、現在はカナダのトロントに在住する松田貴士(たかひと)さん(35)が、マイナーリーグ審判員として過ごした激動の12年間を振り返る。第2回はマイナーリーグでのキャリアアップ、審判員業務を通じて感じた日本人としての強みなどについて語る。(聞き手 元NPB審判員、アマチュア野球担当記者・柳内 遼平)
――12年に渡米し、ルーキーリーグでマイナーリーグ審判員のキャリアをスタート。21年には3Aに昇格しましたが、所属するカテゴリーを上げていく中で有名な選手との出会いもありましたか。
「そうですね。日本人では加藤豪将(現日本ハム)君と一緒に試合をする機会もありました。現在ではメジャーリーグ屈指の打者として有名なアーロンジャッジ(ヤンキース)は丁寧に挨拶してくれた選手。それにプレーだけではなく人柄も凄く良かったですね。ただ、体が大きすぎてストライクゾーンの判定が難しかった。膝の位置が高すぎて低めのストライクゾーンの下限が凄く高かった思い出があります」
――一番下のルーキーリーグからメジャーリーグまで昇格を狙う挑戦。どのように所属するカテゴリーを上げていったのか。
「ルーキーリーグからスタートして、ショートシーズン、アドバンスドルーキー、1A、16年から19年まで2A、20年は新型コロナウイルスの影響でシーズンが開催されなくて、21年には3Aに昇格しました。基本的に1カテゴリーに30~45人ほどの審判員がいて、毎年3~4人が契約満了となり、3Aでは毎年5~6人が契約満了になっていますね」
――メジャーリーグの審判員はベテランで年収5000万円の人もいると聞いている。マイナーリーグの審判員の年収はどらくらいだった。
「最初のルーキーリーグでは月給20万円ほど。そこからカテゴリーに比例して給料も上がり、3Aの時には給料が年間で450万円に達し、そこに手当も加わり合わせて年収500万円くらいでした」
――メジャーリーグ直前の3Aまで昇格できた。何が評価されたのか。強みは何だったのか。
「判定技術が飛び抜けていたとは思いません。恐らく人への対応や仕事に向き合う姿勢が評価されたのだと思います。スーパーバイザー(評価担当者)から助言を受けたことに対し、しっかりと取り組みました。屈強な選手に見劣りしないように筋力トレーニングにも励みましたし、監督から抗議を受ける際の対応も実戦を通して学んでいきました。実は米国では素直に助言を受け入れる審判員はそれほど多くない。スーパーバイザーにアドバイスされても、ディベートの文化があるせいか、主張をぶつけ合う人も多かった。その点、自分は日本で育ったこともあって聞く習慣があった。どんどん助言を聞いて、修正して、審判員として成長するスピードを緩めなかったことで3Aまで行くことができたと思います」
――英会話ができない状態で渡米したが、満足できるレベルコミュニケーションが取れるまでに何年かかった。
「10年は必要でしたね。選手から抗議された場面で“暴言があった”と思って退場させたけど“別にそこまで悪い意味がじゃなかった”みたいなこともありました。監督に選手を退場させた理由を説明すると“そんなに悪いこと言ってないじゃないか!”と。日本語で表現するとプレーが上手くいかなかった時に“クソッ!”て悔しがる時があると思います。良いワードではないですが、退場までさせるほど悪い言葉ではない。そんなイメージ。辞書で引くような表面上の意味ではなく、その言葉がその場面でどういう意味を持つかを理解するのは大変なこと。本当に理解できたのは3Aに昇格してからだと思いますね」(第3回に続く)
◇松田 貴士(まつだ・たかひと)1988年7月14日生まれ、愛媛県西予市出身の35歳。小3から豊中リトルリーグで野球を始め、宇和中では軟式野球部に所属。八幡浜(愛媛)では捕手としてプレー。高知大では2年冬まで野球部に所属し、3年春から四国アイランドリーグ・高知でスコアラーを務め、同年途中から11年まで同リーグの審判員を担当。12年に米国の審判員学校に合格し、ルーキーリーグでキャリアをスタートさせ、21年にはメジャーリーグまであと一歩の3Aに昇格。23年シーズン限りで退職した。尊敬する人は野茂英雄、イチロー。1メートル76、65キロ。現在はトロントに在住。X(旧ツイッター)アカウントは松田 貴士(まつだ たかひと)「@T_Matsuda44」
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