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【スポニチグランプリ新人賞】「茜色に焼かれる」片山友希 難役向き合った、夢のカンヌへ第一歩

[ 2022年1月20日 05:30 ]

2021年(第76回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2022年1月19日 )

笑顔でポーズをとる片山友希(撮影・河野 光希)
Photo By スポニチ

 2021年(第76回)毎日映画コンクールの各賞が19日、決定した。輝きを放った新星に贈られるスポニチグランプリ新人賞には石井裕也監督(38)の「茜色に焼かれる」に出演した和田庵(16)と片山友希(25)が選ばれた。同一作品からの選出は09年、「愛のむきだし」の西島隆弘と満島ひかり以来12年ぶり。2人はそれぞれの言葉で飛躍を誓った。

 小学生で女優になると決めた信念は揺らぐことなく、見事に栄冠を手にした。片山は、「完成した作品を見た時に心が震え、この映画で賞を獲りたいと純粋な気持ちになったんです。頂けて少しだけ自信がついたというか、今までの全てがいい経験だったと思えるようになりました」とはにかんだ。

 「茜色に焼かれる」で演じたケイは、先天性の持病があり、幼少の頃は父親に虐待され、今は風俗で働いているという過酷な運命を背負う。自身とはほぼ重ならない難役。オーディションで役を射止めたものの、石井監督の「君の覚悟は何?」という質問にうまく答えられず、悔しさと不安を抱えたまま撮影に臨んだ。

 「自分のセンスを問われているようで怖いですよ。私はセリフの本当の意味を考えられているのかという不安や悩みがずっとありましたから。でも途中から、その不安や恐怖とちゃんと向き合うことが私の覚悟だと思えたので、拭い切れなくてもいいやという気持ちになりました」

 風俗店の同僚役で、ケイ同様に耐えている主演の尾野真千子の存在も支えになった。「めちゃめちゃ心強かったです。私が悩んでいることは絶対分かっていたはずなのに、何も言わず見守ってくれていた。それが私には凄くありがたかった」と感謝する。

 小学生の時に「テレビに出たい」と思ったが、「歌が下手なので歌手、アイドルが消えて、勉強ができないのでアナウンサーが消えて…」。消去法で残ったのが女優だったという動機がユニーク。20歳で上京するまでは我慢の時もあったが、「女優になるぞって決めたからここまできました。意志が強いんですかね?」といたずらっぽい笑みを浮かべる。

 昨秋、久しぶりに再会した石井監督から思わぬ言葉を掛けられキュンとした。「俺は片山さんが映画に貢献してくれたと思っているから、賞を獲ってくれなきゃ困るんだよね」。しっかりと結果で応えた。

 掲げる目標は「かなえたいことは口にすべきだと思うので…。私、フランスが大好きで憧れが強いんです」。見据える先はカンヌ国際映画祭。「そう、カンヌのレッドカーペットを歩きたい」。力強い言葉の中に、少しだけ得た自信が垣間見えた。(鈴木 元)

 ◇片山 友希(かたやま・ゆき)1996年(平8)12月9日生まれ、京都府出身の25歳。主な映画出演は18年「ここは退屈迎えに来て」、20年「君が世界のはじまり」など。現在、初主演映画「フタリノセカイ」が公開中。

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