【田中絹代賞】「キネマの神様」宮本信子 驚きの受賞に「田中さんに応援していただいた気がする」

[ 2022年1月20日 05:30 ]

2021年(第76回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2022年1月19日 )

田中絹代賞を受賞した宮本信子(撮影・小海途 良幹)
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 宮本信子(76)は、田中絹代賞受賞の一報に「この年齢で頂けるとは思っていなかったので非常にビックリしました。もう少し頑張ってねと、田中さんに応援していただいた気がします」と素直な心情を吐露した。

 小学校の中学年で見た溝口健二監督の「山椒大夫」(54年)で、田中さんがうたう「安寿恋しや ほうやれほ…」というフレーズと声が鮮烈に残っているという。その後も成瀬巳喜男、小津安二郎ら巨匠たちとの作品に触れ「並大抵の精神力ではできない。監督もおやりになっているし、タフですよ。私はとても太刀打ちできない」と最敬礼だ。

 そうは言うものの、夫の伊丹十三監督の「マルサの女」「ミンボーの女」などで演じたタフな女性たちは宮本の代名詞の一つ。脚本の最初の読者でもあり、「演じる役ではなく作品全体を読むということを凄く鍛えられました。宮本信子を大きく育ててくれた監督です」とほほ笑む。

 昨年は、山田洋次監督(90)と50年ぶりに組んだ「キネマの神様」で主人公の妻を好演。志村けんさんの急逝、コロナによる2度の公開延期もあっただけに、「映画に対する愛情を凄く感じ、出来上がった時の喜びはちょっと普通ではなかったですね」と感慨もひとしおだ。

 「女優の仕事は年齢に関係なくお役があるので、こんなにいい仕事はないと思います。そのためにはいつ、どの仕事が来てもいいように健康でいないといけない」。田中さんの“エール”をしっかりと胸に刻んだ。

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