【日本映画大賞・監督賞】「ドライブ・マイ・カー」濱口竜介監督 「売れない」一転、海外でも絶賛

[ 2022年1月20日 05:30 ]

2021年(第76回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2022年1月19日 )

インタビューに答える濱口竜介監督(撮影・島崎忠彦)
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 「ドライブ・マイ・カー」で日本映画大賞と監督賞をダブル受賞した濱口竜介監督(43)は「そんなに売れはしないだろう、という気持ちもどこかにあったが、面白い映画を作ろうと思って作った作品でもある。どこかの賞に見つけてもらって、その影響で観客が多く足を運んでくれることはありがたい」と喜びをかみしめた。

 村上春樹氏の短編小説が原作。妻を亡くした舞台俳優兼演出家が専属ドライバーとの出会いを通して再生していく物語。昨年の仏カンヌ国際映画祭で脚本賞、今年に入り米ゴールデン・グローブ賞で非英語映画賞を受賞するなど海外の主要映画賞も次々と射止めている。

 自ら手がけた脚本は他の短編作品の要素も織り交ぜ、ほぼ独自の物語と言っていい。「20代前半に村上作品にかなりハマった」と明かすが、映像化となると「村上春樹さんの世界は独特。リアリズムではやれない」と一歩引いていた。その中でも「これは自分が映画化できるかもと思っていた」のが「ドライブ・マイ・カー」。詳細なプロットを作ってから、村上氏に映像化の許可を取り付けた。

 「映画はご覧いただいたようで“どこからどこまで自分が書いたか分からなくなった”と話されている記事を読んで、うれしかったですね」と話す。

 世界的な評価の高まりにも「コロナで表彰式もないので“どうもそうらしい”という感じ」と実感は薄めというが「髪を切りに行った時、アシスタントさんが僕のことを知っていた」と、世の中の熱気は肌で感じている。「国際的な評価を意識して作ったという部分はあまりなかった」というが、3月27日に発表される米アカデミー賞の受賞にも期待が高まる。

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