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【女優主演賞】「茜色に焼かれる」尾野真千子 諦念振り払った情熱と脚本「人に伝える使命がある」

[ 2022年1月20日 05:30 ]

2021年(第76回)毎日映画コンクール各賞決定 ( 2022年1月19日 )

笑顔を見せる女優主演賞を受賞した尾野真千子(撮影・河野 光希)
Photo By スポニチ

 女優主演賞は「茜色に焼かれる」の尾野真千子(40)が初受賞となった。

 「うれしい。ただただ、うれしいです」。尾野は、初の女優主演賞の喜びをしみじみとかみしめた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で20年4月に緊急事態宣言が発令。撮影が延期、中止となり「マスクやフェースシールドを着けていなければ人と話せない。キスシーンやベッドシーンもNGになってしまうのであれば伝えることができない。この業界は終わったと思いました」というほど気持ちが沈んだ。

 その諦念を振り払ったのが、「茜色に焼かれる」の石井裕也監督(38)の情熱と脚本だ。「今撮らなくてどうするんだという熱い思いと、血の通った脚本に衝撃を受けました。私には人に何かを伝える使命があると思わされたんです」

 交通事故で夫を失い、一人息子を育てるシングルマザーの田中良子役。コロナ、パワハラ、息子のいじめなどさまざまな問題に直面しながらも、生活のために風俗店で働くなど前を向いて生きていく。コロナ下で初めて撮影した作品での魂を込めた熱演。「その日その日で感情は違うので、どう演じようとはあまり考えずにその時の感情を大事にしていました」と振り返る。

 さらに息子役の和田庵、風俗店の同僚役の片山友希がともにスポニチグランプリ新人賞を受賞。「成長や気持ちの変化を見られる幸せを感じていました。悩んで絞り出した芝居で賞を獲ったことは、泣けるくらいうれしかった」と、自分のこと以上に喜びを表す。

 河瀬直美監督(52)に見いだされ、97年「萌の朱雀」で主演デビューしてから25年。「気持ちを伝える。その気持ちにウソをつくな」という教えが今も原点で、「これからも受け継いでいきたい」と決意をにじませる。

 不惑を迎え、自らのさらなる可能性にも期待している。「男性を演じることも面白いし、高校生にもなれるかもしれない。でも、まだまだ恋愛ものも捨てていません。40代は脂が乗るといわれていますから、年を取るのは嫌いじゃない。どんどん開けていく感じがします」と声を弾ませた。(鈴木 元)

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