奇跡の逆転CSへ 広島が8回の微妙判定に泣き痛恨1敗 残り6戦へ佐々岡監督「ずっと負けられない」

[ 2021年10月19日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1ー2阪神 ( 2021年10月18日    甲子園 )

<神・広>3回無死、宇草の一ゴロでマルテからのトスがそれるも伊藤将は素手でキャッチ(撮影・大森 寛明)
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 広島は18日の阪神戦に1点差で敗れて、連勝は3で止まった。8回に代打・長野の適時打で1点差に迫るも、続く代打・会沢の飛球を左翼・板山に好捕されて、あと一歩届かなかった。2年連続でのシーズン負け越しが決定し、3位・巨人とは3ゲーム差に逆戻り。奇跡のクライマックスシリーズ(CS)進出へ、さらなる土俵際まで追い込まれた。

 運命の分かれ道は、紙一重だった。試合直後の佐々岡監督は「覆ることはないし仕方ないけど、大事な場面だった」と、悔やんでも悔やみ切れない様子だった。思い返していたのは、0―2で迎えた8回の攻撃だった。

 この回から登板した岩崎に対して、先頭の堂林が右翼線への二塁打、続く代打・長野の中前適時打で1点差に迫った。なおも無死一塁と広島に流れが傾いたところで、打席には2者連続代打の会沢が向かった。カウント1―1からの直球を捉えたライナー性の打球は左翼前方へ。板山が懸命にグラブを伸ばし、地面間際で捕球した微妙なプレー。アウト判定となったが、打球がワンバウンドしたと判断していた一塁走者の大盛は一、二塁間でしばらく様子をうかがい、その後に慌てて帰塁するも、間に合わず併殺となり絶好の反撃機を失った。

 ワンバウンドしたかは微妙で、リクエストを要求するも、判定は覆らなかった。指揮官は「(大盛は)難しい判断だった。主審には“ジャッジが遅いんじゃないの”と言った。ジャッジが遅いから一塁にも帰れない。球が地面に着いているようにも見えた」と判断の遅さに苦言。アウト判定後にすぐに帰塁できなかった大盛は「(判定した)瞬間は見ていなくて、どっちか分からなかった。僕の判断ミスです。僕は落ちたと思ったんですけど、難しくてステイしてしまいました」と反省した。つかみかけた試合の流れを逃したことだけは、確かだった。

 これで3位・巨人とは再び3ゲーム差に開いた。巨人が残り4試合を2勝2敗でも、広島は残り6戦を全勝しなければCSに進出できない。指揮官は「ずっと負けられない。投手も頑張っているし、野手も必死に最後まで諦めずにチーム一丸となっている。残り6試合、頑張るだけです」と努めて前を向いた。奇跡を起こすには、もう、一つも落とせない。(河合 洋介)

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