中畑清氏 “全員6位”予想覆したヤクルト・高津監督の「適材適所」采配にあっぱれ

[ 2021年10月19日 05:30 ]

ヤクルト・高津臣吾監督
Photo By スポニチ

 【キヨシスタイル】優勝に向かって突き進んでいるチームは違うね。17日の横浜スタジアム。始球式でお邪魔したんだけど、三塁側のヤクルトベンチから活気、一丸ムードがビンビン伝わってきたよ。

 私の開幕前の予想は6位。スポニチ(東京)の評論家は全員6位にしてた。そのヤクルトがここに来て圧倒的な強さを見せ、ゴールを駆け抜けようとしている。

 順位予想をするとき一番に考えるのが先発投手の質と量。ヤクルトはどう考えても駒が足りないと思った。実際に規定投球回数に達している投手は一人もいない。それでいて目下71勝47敗17分け。この謎を解くキーワードは「適材適所」だ。

 あっぱれ!高津監督。大胆な配置転換を決行して勝利の方程式を構築した。開幕時は抑えだった石山を6回に回し、7回今野、8回清水、そして9回にはマクガフ。さらにスアレスと田口を先発から中継ぎに回し、ブルペンに厚みを持たせた。先発は飛ばして5回まで頑張ればいいという形をつくったんだ。

 2年目の奥川には無理をさせず、十分な間隔を空けて起用。登板過多になりがちなブルペン陣への目配りもさすが日米通算313セーブのクローザーだ。巨人、阪神と当たる10月5日からの6連戦を前に清水、マクガフを2日間ベンチから外して休養させた。セットアッパーと抑え。1人なら外せても2人、しかも2試合連続だよ。勇気の要る決断。勝負どころをしっかり見据え、腹をくくった采配。お見事としか言いようがない。

 打線も開幕から動かしていないのは3番・山田、4番・村上だけ。試行錯誤を繰り返しながら、去年まで控えだった塩見を1番に固定。現在は両外国人の間の6番に置いている捕手の中村に2番を打たせたり、打線のつながりを重視したオーダーを組んできた。代走なら山崎、代打の切り札には川端と脇を固める役者にも伸び伸びプレーできる環境を与えている。

 個々の能力を余すことなく引き出し、かき集めて一つのチームにまとめる。適材適所の達人。高津監督を見ていると、DeNAの監督時代「戦力がないから」と心の中で言い訳していた自分に「喝!」を入れたくなる。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

続きを表示

「始球式」特集記事

「新庄剛志」特集記事

2021年10月19日のニュース