阪神ドラ4前川「1年目から活躍できるように」、金本&岡本モデル融合で木製バットも対応してみせる

[ 2021年10月19日 05:30 ]

阪神の指名あいさつを受け、バットを手に活躍を誓う智弁学園・前川(撮影・椎名 航)
Photo By スポニチ

 阪神からドラフト4位指名された智弁学園・前川右京外野手(18)が18日、奈良県五條市の同校で畑山俊二統括スカウトと山本宣史担当スカウトから指名あいさつを受けた。既に同校OBの巨人・岡本和と通算476本塁打の金本知憲氏のモデルを使って木製バットへの対応を模索中。高校通算37発を誇り、1年目からの1軍出場を期した。

  前川は制服の上からでも強打者のオーラを漂わせた。「1年目から引くことなく強気で練習にも取り組んで、活躍できるようにしたい」。準優勝した今夏の甲子園大会では打率・455、2本塁打。きっかけは大打者との出会いだった。

 3月にテレビ番組の企画で同校を訪れた前阪神監督の金本氏から直接指導を受ける機会に恵まれた。当時は絶不調。「腰の回転が平行に回れるようにと。上に上がったらスイングも変わるから、平行に…と」。以降はバットのヘッドも走るようになり、本来の調子を取り戻した。

 いまは中堅方向への打撃と確率の高さを意識して練習。鍵を握る木製バットへの対応にも着手した。用具メーカーから支給されたOBの巨人・岡本和と金本氏のモデルを使用。形と重さが違う形状の2種類で自分に合う形を試している。「岡本選手はグリップが太い感じで、金本選手は等間隔というか、一番振りやすい感じで振っている」。理想は両者の間ぐらいの太さ。思い描いた“融合”が改めて長距離砲の資質を感じさせた。

 担当の山本宣史スカウトには「将来的には前川、井上、佐藤輝で大きいのを打てる外野手が増えたらと思って推薦しました」と太鼓判を押され、将来の和製クリーンアップ誕生へ大きな期待を背負った。高卒1年目で本塁打を打てば、74年掛布雅之以来の快挙。「そんな簡単な世界ではないと思うんですけど…」。そんな謙虚な姿勢も期待感を大きく抱かせた。(石崎 祥平)

 【前川と一問一答】

 ――ドラフト指名で周囲の祝福は。
 「数えられないぐらいだったので、すごくありがたいなという気持ちです」

 ――市和歌山・小園はDeNA1位。同一リーグで対戦できる。
 「お互い1軍に上がって対戦したい。次は打つという気持ちで。自分のスイングで戦いたい。魅力はしっかりバットを振って、強い打球を打つというところなので、そこを忘れずにやっていきたい」

 ――甲子園は左打者に不利な浜風が吹く。
 「浜風に負けないぐらいバットを振って、力をつけて浜風が吹いてていても飛ばせるように準備したい」

 ――高校の先輩には巨人・岡本和がいる。
 「4番で活躍されてます。いずれは自分もそういった選手になれるように。目の前のことをコツコツやっていたら、その先、いいことがあると思うので、丁寧な練習、野球をやっていきたい」

 【前川 右京(まえがわ・うきょう)】

 ☆生まれ&サイズ 2003年(平15)5月18日生まれ、三重県津市出身の18歳。1メートル76、88キロ。左投げ左打ち。

 ☆球歴 白塚小1年から白塚バッファローズでソフトボールを始め、投手で6年時に全国大会出場。一身田中では津ボーイズに在籍し、投手と外野手で3年時に全国大会出場。智弁学園では1年春から主力で、甲子園は同年夏、2年の交流試合、3年春夏と計4度出場。

 ☆好きな打者 オリックス・吉田正。

 ☆家族 両親と兄。2歳上の兄・夏輝さんは三重県の津田学園出身で甲子園でも活躍。

 ☆趣味 筋トレ。

 ☆好きな食べ物 母親が作るハンバーグ。

 ☆右京 右京といえば、大人気の刑事ドラマ「相棒」で俳優・水谷豊演じる杉下右京が有名。「名前は画数と響きで決めたようです。気に入っています。たまに相棒とか言われます」。   

続きを表示

2021年10月19日のニュース